「ベラルーシ戦と紙一重」U-17ワールドカップ グループD 日本-チュニジア

Yahoo!のトップにコラムが載るぐらい、U-17代表を率いている吉武監督への賞賛が鳴り止まない今日このごろだが、自分的には3-1で快勝したベネズエラ戦を見て、このチームは案外対策されると脆いんじゃないかと疑念を持っていたのだが、やはりチュニジア戦ではそれであと一歩まで追い詰められる状況になってしまった。

そのチュニジアが取ってきた方策は、古典的なマンマーク。日本がボールをチュニジア陣内に送り込むとすぐさまゾーンからマンマークに移行し、中央を固めてある程度サイドは捨てて来た。これで日本はかなりリズムが狂い、縦パスがなかなか出せずに横パスやバックパスばかりで、ポゼッションは70%と圧倒したがボールを持たされている状態であまり怖さを感じさせなかった。

そして攻撃がショートパスに偏っており、パススピードも弱くてサイドチェンジやSBのオーバーラップといったマークをすっ飛ばす攻撃がほとんど出来ないのも、攻撃が停滞する原因になってしまった。A代表もそうだが中盤でパスを回してリズムを作る事にこだわりすぎ、そこにマークを付けられるとパスワークのやり直しばかりになって攻撃が単調になり、それが周りの選手のリズムを崩して足を止めさせてしまう。DFからの速い縦パス、オーバーラップ、サイドチェンジといったリスクはあるけども攻撃のペースを変える手段があまりに少ない。

幸い、UAEの暑さと過密日程のお陰で後半の途中からチュニジアに疲労が出て足がつり始め、最後はチュニジアが根負けする形でロスタイムに逆転したが、日本も足が止まってパスミスが増えていたので、追加点を入れられてもおかしくない展開だった。A代表がベラルーシ戦で見せたマンマークへの弱さと決定力という課題は、ユース世代にも現れているのだなと感じさせられた。

ただ、このチュニジア戦に勝って1位抜けをした事で、決勝トーナメントは3試合で15得点を叩きだして圧倒的な強さを見せているブラジルと違う山に入る事ができた。ベスト16の相手は、グループBEF3位の中から成績上位のチームが来る。まだどうなるかは分からないが、グループBはコートジボワールの3位が確定している。グループEからアルゼンチンが来る可能性はまだ残っているが、そうでなければベスト8の相手はホンジュラスかウズベキスタンになるため、ベスト4まで視界に入って来そうだ。