「80分間で真剣勝負を」セルビア戦展望

今晩の深夜0時半より代表の親善試合、セルビア戦が始まりますね。かなり微妙な時間帯なので生で全部見るかどうかは分かりませんが、ひとまず展望だけは書いておきます。

ザックジャパンにおける失点シーンは、今更特筆する必要も無いぐらいに2つのパターンに集約されます。

1つは、香川や岡崎が中央に寄ってSBがそのスペースを埋めに上がり、遠藤が攻撃的な位置取りをした状態でボールを取られてカウンターを喰らうパターン。ザックの戦術では、片方のSBが内側に絞り、ボランチの1枚とCBの1枚と3人でブロックを作り、残りのCB1枚がカバーをする形で対処するのですが、3人のブロックを突破されたり、逆サイドに振られて内側に寄ったSBのカバーが遅れてクロスを上げられる事も多く、対処が機能しない場面が多いです。

そのために、DFラインと攻撃陣の間をコンパクトにし、攻撃陣がプレスバックでパスを自由に出させず、守備陣はポジショニングの間隔を短くしてカバーをしやすくする必要があるわけですが、コンフェデからグアテマラ、ガーナと組織の修復を図ってきた流れを、1.5軍とは言えウルグアイに近いレベルを持つセルビア相手に通用させられるかどうかが第一のポイントでしょう。

そして失点原因の2つ目はセットプレイ。その点においてセルビアは世界のトップレベルで、190cm近いイヴァノビッチやコラロフといった巨漢の飛び込みを日本が止められるかどうか。セルビアと日本では平均身長の差が6cmもあるので、単純な高さ勝負では勝ち目が無いだけに、ポジショニングや上半身の使い方で何とか工夫するしかありません。場合によっては、内田ではなく酒井宏樹の起用も考えられるかもしれません。

攻撃については、ホームの試合であり、かつスタンコビッチの引退試合とあってセルビアはおそらく最初から前に出て来るでしょう。DFラインとのスピード勝負では柿谷に分があるだけに、裏取りのタイミングを日本が誇る中盤のタレントと合わせられるかどうかが1番のカギになるでしょう。先の2試合はコンビネーション的にまだまだだっただけに、さらなる熟成で何を見せてくれるのか楽しみです。こちらも、場合によってはハーフナー・マイクを入れてフリックから柿谷の飛び出し、という形も試したいところです。

とは言え、最初の10分はスタンコビッチのショータイムになるでしょうから、彼が交代してから素早く気持ちを切り替え、先制パンチを与えて真剣勝負に速く持ち込みたいところですね。