「こりゃ相手がザル過ぎました」イタリア・セリエA第4節 インテル-サッスオーロ

リーグが第4節ともなると、そろそろ変な余裕と集中力の欠如が出てくる時期で、特にここ数年のインテルのような生ぬるい雰囲気のチームは必死な下位チーム相手に足元を掬われがちなのだが、マッツァーリ体制で生まれ変わったインテルは、復帰を祝うミリートの2ゴールを始めとする7-0の大花火で不安要素を一蹴した。

と言い切りたいところだが、今回ばかりはサッスオーロの守備があまりにザル過ぎて、過去と比較検討にすらならなかったというのが正直なところである。

サッスオーロはセリエAに史上初昇格という事で、元インテルのスケロットを始めとしてほとんどのメンバーを補強で入れ替えたらしいのだが、とにかく全然組織が出来ていなくてプレスの連動性も何もなく、ただ各選手が棒立ちでスペースを埋めているだけでボールの出し手にも受け手にもプレッシャーがかからず、ここまでの3試合で8失点というイタリアらしからぬスコアをたたき出していたのも納得のひどさだった。

その典型例が23分のタイデルによる2点目で、インテルのDFにサッスオーロの前線の選手がおずおずとアタックをしに行ったのだが、後ろが全くついて来ないのでサックリ交わされ、そのままノープレッシャーでフアンがドリブルで持ち上がり、ファーに開いたパラシオに難なくパス、そのシュートをGKが弾いて宙に浮いたところを、フリーで飛び込んだタイデルが押しこむという、日本のジュニアユースでももう少しマシだろうといいたくなるシーンだった。

ただ、攻撃についてはなかなか見るべきものがあった。この試合では4-3-3と4-4-2を使っており、古巣インテル相手に燃えるスケロットの積極果敢な飛び出しをはじめとするサイド攻撃に、途中出場したザザの抜け目ない得点感覚で何度か惜しいチャンスは作り出していた。が、残念ながらホームで観客に喜びのシーンを与えるには至らず、倒された後でアップになったスケロットの落胆した表情が印象的だったね。

長友は、監督から言われていたのかスケロットをマークする時だけは鬼のように走って着いて行ってたけど、それ以外の時間帯は歩いたりジョギングしたりで、まあ50%ほどのプレイでミッドウィークの上位対決フィオレンティーナ戦に備えていた感じ。でも、1点目のアシストのように縦への飛び出しに対して味方のタイミングが合って来ているし、トラップの感覚も好調で今シーズンはチームの成績ともども非常に楽しみである。