「もったいないチェコの健闘」ブラジルW杯欧州予選グループB イタリア-チェコ

先のブルガリア戦でW杯出場に王手をかけた状態で臨んだ、ユベントススタジアムでのチェコ戦。イタリアはきっちりと逆転で勝利を飾り、イタリアにしては珍しく危なげなく予選突破を果たした。
が、試合内容はかなりイタリアにとっては危ういものだった。序盤こそホームの勢いで攻め立てるものの、この試合で復帰したエースのバロテッリが2度ほどチャンスを手にするが決められず、19分にロシツキーからのパスで始まった鮮やかなカウンターでさしものブッフォンも防げず先制を許してしまう。
イタリアは3バックでスタートしたのが裏目に出てしまい、チェコの4-1-4-1に対してのマークが曖昧な状態で、デロッシが3バックの中央へ下がっているためにピルロとモントリーヴォのところで相手のポストを止められず、サイドのスペースで基点を作られてなかなか畳み掛ける攻撃が出来ていなかったところへ、サイドアタックのカウンターでやられる結果に。
さすがに失点直後からプランデッリ監督も4バックに戻し、ようやくリズムを取り戻したもののバロテッリがまたもチャンスでブレーキになってしまって得点できずに前半を終了した。
ところが、チェコはたった1つの大きなミスで勝利のチャンスを逃してしまう。後半6分に、名手チェフがまさかのクロスに対するかぶりをやらかしてしまい、キエッリーニにヘッドを決められてしまうと、3分後にはかなりホームびいきな判定のように見えたがPKを与えてしまい、今度こそバロテッリがゴールして逆転。
前半のうちに攻撃のポイントになっていたロシツキーを下げてしまったチェコは、その後にイタリアがアクセルを緩めたのもあって攻めこみはしたのだが最後までイタリアの牙城は崩せず、ロシツキーに交代して入ったコラルシュが終了間際に2枚目のイエローで退場するという皮肉な形で試合終了。
イタリアがW杯出場を決めた一方、ブルガリアとデンマークが勝利したのでチェコはブルガリアに勝ち点4差の4位へと一気に後退。これでブルガリアがアルメニアに星を落とした上で最終節の直接対決での勝利が必要と、確率的にはかなり厳しい状況になってしまった。