「ミランへの移籍は閉ざされた?」ロシア・プレミアリーグ第7節 CSKAモスクワ-アムカル

この夏、さんざんメディアを賑わせてきた本田の移籍話だが、CSKAが獲得したトップ下候補であるミラノフが怪我をしたあたりから動きが鈍くなり、ここに来てほぼ絶望視されるようになってしまった。
事実、CSKAの試合を見ていると現状はほとんどの有効な攻撃は本田を経由するようになってしまっており、ミラノフは怪我が治ってもロスタイムで時間稼ぎに出て来るだけで、ミランの移籍金は3億だと言われているが、その金で本田を放出してしまったらCLのグループリーグはおろか、来期のCL出場権も怪しくなってしまうわけで、そりゃ自分がCSKAの首脳陣だったとしても出せないのは当然である。
返す返すも、せっかくエヴァートンからCSKAが望む満額オファーが届いているのに、わざわざ貧乏ミランに的を絞って期待をかけたのがもったいないよね。CL出場権とビッグクラブにこだわったのかもしれないが、今やイタリアのクラブはCLで主役を張れるほどの戦力を持っていそうなのはユーベとナポリぐらいなものだし、それすらバイエルンやバルサ、レアル、プレミアのトップ3に比べると戦力が一段落ちる。そう考えると、トップ3やアーセナル、リヴァプールとしょっちゅう戦え、降格する心配の少ない中堅のエヴァートンは、ミランよりも魅力的だと個人的には思ってしまうのだが・・・
と移籍話はともかく試合のほうだが、もはやCSKAは本田頼みというのは見るまでもない話であり、アムカルは常時ボランチの2人が本田を交互にファール覚悟のスッポンマークする策に出て来たために、本田はほとんどまともにボールを受けさせてもらえなかった。
マークを受けている本田にパスを出せるとすればボランチの1角に入ったジャゴエフなのだが、彼にもアムカルの前線がプレッシャーをかけていたので、CSKAの中での組み立てはほぼ封殺されてしまっていた。以前の本田だったら、そういう場合はボールを受けにボランチに降りてきたりするのだけど、今は個人的な課題の克服が頭にあるのか、ジャゴエフをあまりサポートせずに前に残るパターンが多かった。
試合の方は、ムサが自分で長いボールに追いついて最後は自分で決める自作自演ゴールで勝ち越し、何とか勝利を挙げたのだが、ただでさえCSKAは組織がおろそかでCBの位置が低く、常時バイタルが開きがちなのに、そういう本田の頑なな姿勢はチームとしてどうなんかなという気持ちを持ってしまう。
あと3ヶ月すればフリートランスファーの身になるのは確実ではあるのだが、代表も含めてまずはしっかりチームの攻守両面で貢献する姿勢を出していかないと、カカーが来るとも言われているミランからのオファーが消えてしまうかもしれないと思ってしまうのだが・・・