「ますます日本代表化するCSKA」ロシア・プレミアリーグ第5節 CSKAモスクワ-クバン・クラスノダール

なかなかミラン行きが決まらず、平行線のままズルズルと移籍期限が迫りつつある本田は、5節のクバン戦でも当たり前のように出場して決勝点のアシストを決めるなど当たり前に活躍「してしまった」。
ただし、チームとしてあまり締まりが無い内容で、CSKAはヴァグネル・ラヴが退団し、ボランチのエルムが怪我で欠場、ザゴエフがボランチの一角として入ったのだが、ただでさえ本田がトップ下で自由にやっていて日本代表に似ているのに、ザゴエフがボランチとしての守備力が足りず、ウルグアイ戦の代表のように中央をスコスコ抜かれてCBのカバーも足りずにピンチもチャンスと同じぐらい作ってしまい、アキンフェエフの大活躍で失点はしなかったものの、そこまで代表を真似しなくてもいいのにと苦笑してしまったけどね。
日本帰りにも関わらず本田のプレイは非常に好調で、特に体幹がブレずに足元でピタリと止めるトラップが冴え渡り、アシストの場面ではトラップ一発でマーカーを置き去りにして中へと折り返すなど、後半はさすがに手抜き気味に前残りするプレイが多かったが、こりゃCSKAはどう考えても本田を手放せないし、もしそれをやってしまったらサポーターの怒りが酷いことになるなと思わざるを得なかった。
試合終了間際に本田の代役として獲得したと言われるミラノフが本田と交代で出場したが、時間稼ぎで出してしまうほどチームの本田への依存度は高く、CLまでに人を入れ替えてどうこうしようという気配はない。そう考えると、つくづくヴァグネル・ラヴが移籍してしまったのが痛いなあと。
あとちょっと気になるのが、コンフェデでもそうだったが本田に一発のパスやワンツーで決めようという意識が強すぎるように感じる。疲れた後半からは周りを使う意識は見えたが、前半はSBが上がってもほとんど無視してスルーパスやワンツーを狙い続けていた。移籍のアピールやW杯に向けての個人能力アップに意識が向いているのかもしれないが、どうもそれが代表とCSKAに良くない影響を与えているように見える。個人よりもまずはチームが一体になるという事を、たとえCSKAに留まっても頭に入れていて欲しいなと思う。