ツール・ド・フランス2013 第20・21ステージ

これまでグランツールを華々しく彩ってきた、コンタドールやエヴァンス、バルベルデ、アンディ・シュレック、カヴェンディッシュ、そしてヴォクレールといったスター選手の存在感が薄くなり、フルームやキンタナ、キッテルといった新勢力が台頭した今年のツールを象徴するかのような最後の2ステージでしたね。
今年のツールで最後の山岳となる第20ステージのアヌシー・セムノズ頂上ゴールは、またも最後の上りでコンタドールとクロイツィゲルが遅れてしまい、コンタドールはそれまでの総合2位という成績から滑り落ち、ステージで2位に入ったホアキン・ロドリゲスに逆転されて総合4位に終わるという、全盛期の彼からするとあり得ないようなブレーキを見せてしまいました。
フルームもツール前半戦に見せつけた強さはさすがに維持できず、最後はキンタナのスパートについて行けずに29秒差の3位でゴール。それでも総合順位では安泰でしたが、23歳とまだまだ若いキンタナの山岳での強さを見ると、若いからといってそのまま伸びるとは限らないのが自転車レースですが、今後のグランツールではフルームにとって大きな壁となる存在になりそうです。
そしてラストの第21ステージ。100回記念という事で、ゴール時間を凱旋門のライトアップに合わせて夜にしたため、日本時間の0時過ぎからかかって朝にゴールするという変則開催。しかも、いつもはシャンゼリゼ通りを凱旋門の手前でUターンしていた周回コースが、凱旋門の周りを回る大回りコースとなっていました。凱旋門はエトワールとアダ名されているように星状に大通りが伸びているので、この日のパリの交通は相当麻痺したんじゃないかと思いますね。
そのコースも影響したのかシャンゼリゼの周回は相当ハイペースで終始し、いつもなら1分ぐらいは逃げ出す集団があったりするのですが、デビッド・ミラーが少し単独で逃げたぐらいでほぼ集団は一直線、最後はトレインの主導権争いでアルゴス・シマノがリード、ハイペースがたたったのかキッテルの背後につけたカヴェンディッシュとグライペルはわずかに届かず、カヴェンディッシュのパリシャンゼリゼゴール5連覇はなりませんでした。
これでキッテルは4勝とカヴェンディッシュの2勝を上回り、グリーンジャージを獲得したサガンと共に新たなスプリンターの時代を感じさせる結果となりました。とは言え、カヴェンディッシュもコンタドールと同様にまだまだ老けこむ年では無いのも事実で、来年は新勢力に対するベテランの意地を見せてもらい、激戦で楽しいツール・ド・フランスになって欲しいものです。
あ、あと新城選手も完走おめでとう! 今年は前半にステージ優勝のチャンスが1度あった以外は、指の怪我の影響で後半はあまり存在感を見せられませんでしたが、それでも完走出来たことは大変立派です。でも今後は彼だけじゃなく、次の新城もどんどん出てもらわないといけませんね。