日本は本当にW杯で攻め勝てるチームになれるのか

次の更新は、イタリア戦を全部見直してからにしようと思っていたのですが、思いもよらぬ長谷部の発言があったのでそれについて少し追記してみます。
長谷部は、不甲斐ない出来に終わったブラジル戦後に、ザックとどういう会話をしたのかを語っているのですが、その中で注目すべきは「2010年のような戦い方をするのも一つの方法だと監督は言っていたけど、監督は『自分たちのサッカーを世界で見せたい、それで世界を驚かせたい、その中で勝ちたい』と言っていた」という部分ですね。
個人的には、日本は昨年の親善試合でイケイケになるとどうなるかが分かったので、コンフェデで結果を重視した戦い、つまりは強豪国に対して守備的なカウンターサッカーを試して本番に備える必要があるんじゃないかと思っていました。
ところが、ザックはそんな事は微塵も考えておらず、徹頭徹尾本番でも攻撃的に行くつもりだったんですね。そしてその方針は、幸か不幸かこのイタリア戦での善戦でもってさらに強固になったと言えるでしょう。
いや~、正直言ってそれは相当な博打だと思います。日本の攻撃的なスタイルは全選手の運動量が必要ですし、守備の意識に傾いてプレスが効かなくなるとあっという間に失点を食らう脆弱さでは、ブルガリア戦のように本田や香川、遠藤らの中心選手が欠けたり調子が悪かったりしたら、下手をするとグループリーグ敗退どころか全敗もあり得ますよ。
ただでさえ前掛かり気味なのに、今のように前線がポジションチェンジを繰り返してファーストプレスの位置がバラバラで個人の頑張り頼みだったら、なおさらボランチやDFの選手が個人能力で守れる力を付けないと、毎回3失点がデフォルトになりかねません。
そういう意味では、公的にはグループ敗退が決定した消化試合ではありますが、次のメキシコ戦が相当重要になると思います。実際にW杯で勝ち抜けを争うであろう中堅国を相手に、疲労が溜まった3試合目でどういう結果を出せるのか。これはまさに本番のシミュレーションです。今度は悪い内容でもこのクラスに勝つ勝負強さがあるのかどうか、そこをしっかり注目したいです。