「負けてなお強し」UEFAチャンピオンズリーグ準決勝 第2レグ レアル・マドリー-ボルシア・ドルトムント

ジグナル・イドゥナ・パルクでの第1レグでドルトムントに対して4点をぶち込まれるという失態を見せてしまい、ここからひっくり返すのは不可能だろうと思われていたレアル・マドリーだったが、第2レグでは一矢報いるどころかあと少しでドルトムントを逆転というところまで追い詰めたのはさすがだった。
ただ猛然とプレスをかけるだけならそこらのチームでも出来る事なのだが、レアルが凄かったのは各選手がドルトムントがコンパクトに作った守備ゾーンの中でボールを受けてもほとんどバックパスをせず、その場で確実にターンをして前へとボールをつないでいた事。そのためドルトムントの守備陣はゾーンを整えてマーキングを確認する時間が与えられず、ひたすら後追いの守備を余儀なくされてしまった。
こういうポゼッションをしながらもスピードダウンしない攻撃は、いちサッカーファンとして見ていて惚れ惚れするというか、Jリーグにとって最も欠けている部分だと思い知らされるよね・・・この半分のレベルでいいから同じスタイルの攻撃が形作れたら、ここまでACLに苦労することは無いはずなんだけどなあ。
という愚痴はさておき、レアルは前半の15分までにイグアイン、Cロナウド、そしてエジルと3度の決定的なチャンスを作り出し、もしこのうちの1点でも入っていたら結果は大きく変わっていただろう。だが、さすがにドルトムントも守備を修正し、ラインを押し上げてバイタルの厚みを増やすと、そこからはレアルもなかなかビッグチャンスが作れなくなってしまう。
しかしそれで簡単に諦めないのがモウリーニョたるところで、57分にベンゼマとカカーを投入し、DFを3バックにして、ベンゼマとCロナウドの2トップ、2列目にディ・マリア、カカー、エジルを並べる3-2-3-2の超攻撃的な布陣を仕掛けて来る。そしてドルトムントに対して執拗なサイド攻撃を仕掛け続けると、ようやく後半38分にベンゼマがゴールを決め、その5分後にはCKからセルヒオ・ラモスが決め、あと1点入れればアウェイゴールで逆転というところまで行ったものの、残り7分間の間にゴールは決まらず試合はそのままタイムアップ。
いや、本当に負けてなお強し、という感想がピッタリのレアルの反撃だった。第1レグでの様子からモウリーニョの神通力も消えたかと思ってすいませんでした。来期はレアルを退団してまたチェルシーに戻るという噂が出ているが、インテルに戻ってきてくれないかなあ・・・つーかマガトだけは勘弁だけど(笑)。