「完膚なきまでに叩きのめされる」ドイツ・ブンデスリーガ第29節 バイエルン・ミュンヘン-ニュルンベルク

優勝が決まって凱旋ホーム、しかもメンバーはサブが中心とあって、少しはニュルンベルクに付け入る隙が出るかなと思ったのだが、さすがゲルマンのチームは全く空気を読んでくれなかったね(苦笑)。
まあ、とにかく試合開始からバイエルンの強烈なプレスと個人の強さにニュルンベルクは完全に圧倒されてしまい、2本とパスがつながらずに防戦一方。地上戦じゃ歯がたたないからロングボールを蹴ってもペクハルトではファン・ブイテンに叶うわけもなく打つ手なし。
そういう時こそ粘り強く守り続けなければいけないはずなのに、わずか前半5分にセットプレイからボアテングをフリーにしてしまってあっさりと先制点を奪われ、あたふたしているだけであっという間に3点を奪われて24分間でほぼ試合終了。そこからバイエルンがペースを落としてくれたので少しは試合らしくはなったが、せっかく清武のスルーパスから奪ったPKを防がれるなど自らチャンスを放り出してしまった。
そんな大人と子供が試合をしたようなどうしようもない内容だったので、戦術やらフォーメーションやらについて書く事は何も無いんだけど、清武は一応前半は4-1-4-1の右SH、後半はトップ下という形になっていた。
前半の清武については、ほとんどサイドの守備に走り回されて攻撃に絡む事が少なく、しかも清武にはバイエルンの選手がガッツリ潰しに来るので、彼自身は球離れを早くしてワンツーで崩したかったのかもしれないが、パスを渡した他の選手からボールが戻って来ないので清武の意図はほとんど役に立たなかった。
後半からはようやく高い位置でボールを触れる様になり、清武もチームメイトに期待するのはやめて自分自身でゴリゴリとドリブルしたり、前にパスコースがあってもミドルシュートを放ったりと、良い意味でワガママな、チームのエースらしい自我のあるプレイが出て来たので少し安心した。
彼独特の利他的な姿勢は、チームが上手く行っている時はいいんだけど、ヨルダン戦やこの試合のようにリズムが悪い時にはかえってリズムをさらに崩してしまう事につながりかねず、清武ぐらいのクォリティを持った選手ならば、個人の力だけで戦局を突破出来るようになるべきだと思うからね。欧州ではビッグクラブを狙うような選手は、チームメイトを踏み台にしか考えてないようなエゴ丸出しのプレイをする事が多いんだけど、そういう部分も少しは清武が持っても良いと思う。