「何で日本人はSBにされるのか」イングランド・プレミアリーグ ノリッジ-サウサンプトン

どうもイングランドとドイツについては、センターライン守備のマッチョ志向というものが根強くて、長谷部にしても細貝にしてもことごとくSBへと追いやられてしまっている中、吉田だけは1度きりのSB起用だけで何とかCBに踏みとどまっていたと思ったら、ノリッジ戦でまたもSBにされてしまった。
その理由としては、シーズン当初にCBレギュラーだったホーイフェルトとフォンテが、ちょうど交互に怪我をしたおかげで、吉田は常にCBの先発として起用されていたのだが、2月末にフォンテが復帰してCBの面子が揃ったところに、吉田のミスもあって残留争いのライバルであるQPRに敗戦してしまい、ちょっと序列を下げられた格好になったところか。
ただ吉田をかばうとすれば、フォンテと組む場合は左側になるのだが、彼は利き足が右で代表でも今野と組む時は右側に陣取ることが多く、明らかにホーイフェルトと組んで右側になったほうがやりやすそうだった。QPR戦では、その前の試合でホーイフェルトが不安定だったためにフォンテとのコンビになったのだが、右に慣れていたところから左に移った影響は少なくなかったはずだ。
さて右SBとしての吉田はどうだったかと言うと、前半はあまりパッとしない出来で、相手のマークに付くのが遅くて後ろのスペースを使われたり、そりゃどう見てもクロスじゃなくてフィードだろう、という蹴り方をしたボールが明後日に飛んで行ったりと、急造が丸わかりのプレイでかなり残念な感じだったのだが、後半は良く盛り返した。
日本でSBというと、長友のようにサイドを激しく上下動してボールに多く絡むポジション、というイメージがあるが、イングランドの場合はあまりに攻撃のスピードが早いためにオーバーラップに必要な溜めの時間が得られず、SBがCBのようにラインと連動してスペースを埋める事が多かったりするのだが、後半の吉田は後者のプレイスタイルになった事で、ようやくチームとして安定した状態になったと言える。
その後半に吉田は2度の決定的なピンチを素早いカバーリングで凌ぐなど、トータルでは十分合格点の出来だったように思う。が、それで上手く行ったからSBとしての出場が優先されてしまうのも困るんだけどね・・・(苦笑)
サウサンプトン全体としては、みぞれが降ってピッチがぬかるむ悪天候の中、終始ノリッジよりもポゼッションで上回り、特に後半は何度も点を取れるチャンスはあったのに脱力シュートばっかりで、ピンチもあったけど勝てるチャンスもあっただけにもったいなかった。残り9試合で降格圏から勝ち点4差では、まだまだ安心なんか出来ないねえ・・・