ミネキ氏の暴言について一言

かつて、0-0Empateというサイトで海外ニュースをユニークに翻訳して発信し続け、現在はエル・ゴラッソのデザイナーとして活躍されている佐藤峰樹氏が、Twitter上で数日前に、「欧州の舞台に日本人選手は不要だとバッサリ。マンUやインテルでヨロヨロやってる日本人は足手まといで安っぽい。見てるだけで不愉快、興ざめも甚だしい」と書いてしまい、大炎上するという事件が起こった。
その時に、私はこの件について以下のようにツイートしたところ、それも2chのスレッドやまとめサイトに晒され、エルゴラ関係者だとかお仲間だとかのレッテルを頂戴し、炎上のとばっちりを少々いただいた。


一応お断りしておくが、エルゴラ編集長の山田泰氏とは、かつて氏が運営されていたル・モンドトルシエというサイトがあった時に、何度かネット上のやり取りがあったというぐらいで、ましてやミネキ氏とは面識も交流もなく、内輪と称されるような関係性は全く無い。
しかも、このブログを5分も見れば分かる通り、私は中田がペルージャに移籍して以来、徹頭徹尾海外組を応援している立場なので、ミネキ氏との主張とは180度方向が違うスタンスである。だからと言って、あたかも社会から抹殺すべき存在として袋叩きに遭っている現状はいかがなものかと思うのである。
確かにミネキ氏の発言は、外側は黄色いけど中身は白人、つまり名誉白人という立場を揶揄した「バナナ」と呼ばれる人たちが発しそうな言葉であり、客観的に見ればどこから見ても「痛い」発言であることには変わりない。だが、ミネキ氏が日本人でなかったとしたら、もしくは日本という国籍を持った事が直接の原因で迫害に遭った経験があったとしたら、日本人選手やJリーグを卑下するのは何らおかしい話ではない。
例えばセルジオ越後氏。彼は、いくら傍から見てトンチンカンな発言をしているように見えても、その言説は決して曲がることがない。それは、ご意見番としてマスコミに祭り上げられているが故の演技も入っているのであろうが、その理由の大部分においては、彼がブラジル人としてのアイデンティティを持っているからだと思っている。
日本が親善試合で大敗したブラジルを率いていたマノ・メネゼス監督は、その試合の直後に解任された。あれだけ日本に対して何もさせなかったチームを作った監督であっても、かつてのジーコのように戦術もコンディションもクソもなく、単なる上手い選手を11人並べた上で結果と内容を両立できなければ罵倒されるのがブラジル代表監督という存在である。その理屈で行けば、単なる当てこすりにしか見えないザックへの批判は筋違いでも何でもない。
その意見で残念だったのは、ミネキ氏があっさりとツイートを削除して謹慎してしまった事である。彼が日本選手を毛嫌いするには、彼の中で確固たる理由、アイデンティティがあったはずで、それを堂々と主張し、毅然とした態度を見せていれば、今のように糞味噌に叩かれることは無かったはずだ。
たとえ、エルゴラやフットボリスタの仕事が無くなったとしても、セルジオのように海外至上主義の急先鋒としてテレビや週刊金曜日、AERA、日刊ゲンダイといったような媒体で重宝されていたはずだと思うので、それだけがとても残念である(笑)。