2004年11月17日

・アジア1次予選グループ3 日本-シンガポール(1-0)

来年の最終予選に向けて、是非ともよい締めくくりをしておきたい試合。日本の先発はGK土肥、DF三浦、宮本、松田、加地、MF藤田、中田コ、遠藤、小笠原、FWが本山と玉田のサブ組主体の4-4-2。

試合はしょっぱなの4分に、小笠原のGKがかろうじて弾いた惜しいシュートから始まる。最初のうちは、コンパクトに守るシンガポールの前に後ろでパスを回すだけで、どうにも攻めあぐねる展開が続いていたのだが、10分を過ぎてパスの回りが良くなり、フリーになったボランチからシンガポールDFの裏のスペースへのパスが決まりだす。

そして13分、右に遠藤が展開したボールを引いてきた本山が受けてスルーパス、これに反応した玉田が左の角度の無いところから決めて、日本がまず先制点をゲット。その後も何度かよいペースが続いたのだが、セットプレイからの松田のどフリーヘッドもGKのいる場所に飛ぶなどして決められない。

25分ごろからはシンガポールも守備をマーク中心に修正したおかげで、日本にパスミスやクサビのプレイのミスが増え始め、ボールを奪われた後の詰めの甘さもあいまってシンガポールに自陣までボールを持っていかれる場面が増える。さらに40分ごろからは、日本の選手の足が止まって押し込まれる情けない状態。そこを何とか守りきって前半は終了。

後半になっても日本は足が止まり気味でプレスがかからず、ボールを奪ってもつなぎのパスがミスだらけで、前に出てきたシンガポールの前に陣地を押し返す事が出来ない。組み立てでもまた、ツータッチ以上の緩いパスが多くて縦のポジションチェンジやサイドチェンジが全く無く、シンガポールの守備を揺さぶる事が出来ない。

そして14分に藤田に代えて大久保が投入され、本山が1列下がったポジションになる。これでようやく日本にも、松田や加地を始めとして前の選手を追い越す動きが見え始め、サイドにまでボールを展開する場面を作るようになる。しかし、今度は相手守備陣のの高い集中力に阻まれて得点出来ない。

さらに鈴木や三都主を投入するも、大久保のゴールがオフサイドの誤審をくらってしまったり、三都主のシュートもGKに阻まれ、日本は最後まで追加点を奪えずに試合を終えてしまった。

まずはシンガポールの最後まで足が止まらなかった集中力を誉めるべきだが、サブ同士で連携の問題があったのは確かだろうが、やはり日本のふがいなさ、集中力と展開力の不足、4バックでのプレスディフェンスの未組織など、課題ばかりが目立つ試合であったといえる。最終予選でも、相手に先制点を取られた場合にこういう固い守りをされる時も必ず来るわけで、その時になってこんな思いを味わう事が無いようにお願いしたいものである。

●採点

  • 土肥 6 仕事らしい仕事はほとんど無かったが最後にナイスセーブ。
  • 三浦 5.5 FKは良かったが、後はもう一つ有効な仕事が出来ず。
  • 宮本 5.5 やっぱりカウンターに対するアタックの弱さが・・・
  • 松田 6 気持ちは感じたが、上がったらちゃんと攻撃につなげないと。
  • 加地 5.5 まあ3バックよりかはマシだけど。
  • 藤田 5 空回り気味で回りと噛み合っていなかった。
  • 中田コ 5 攻守にパッとしない出来。
  • 遠藤 6 前半こそリズムを作っていたが、後半に消える。
  • 小笠原 5.5 良いプレイも多かったが、それ以上に致命的なミスパス多し。
  • 本山 5.5 アシストはあったが、簡単なシュートは入れられず全体的に消極的。
  • 玉田 6.5 国内随一のFWである事を証明したが、あと1点は入れておくべき。
  • 大久保 6 後半の日本を活性化させた。オフサイドの誤審は不運。
  • 鈴木 6 さほど悪い出来では無かっただけに、ボールをもらえなかったのは気の毒。
  • 三都主 6 こういう相手にはやはりコネコネが効く。

サッカーコラムマガジン「蹴閑ガゼッタ」