2003年11月19日

・キリンチャレンジカップ 日本-カメルーン(0-0)

う〜ん、これまた評価に困る試合だったなという印象。

良かった点としてはまずは守備。宮本が入った効果か最後までコンパクトさを保ってプレスをかけることが出来た事。カメルーンがあまり前からプレスをかけてこなかった事もあって、バックラインでのパス回しもそれほど不安になるところは無かった。

しかし攻撃面では、前半はほとんど攻撃の息が合わず、ようやくコンビが出てきた後半はボールを短いタッチでつないでポゼッションサッカーをやれていたものの、日本のFWでは最後の部分で点が取れないのは相変わらずで、楽しくはあるが勝てないサッカーと言う課題は残ったままである。

チームとしての機能面でも、特に前半はSBのいる意味が全く無く、上がれないわ抜かれるわクロスを簡単に上げさせるわでまだパイロンを置いていた方がいいくらいどうしようもない出来だった。後半は少しましになったとは言え、チームの形としてはSBが浮いた状態になっているのは確かで、日本のFWの能力を考えれば、SBがきちんとクロスを上げ、そのこぼれ球を攻撃参加した中盤が拾うという場面が無ければ、いつまで経っても得点チャンスは増えないだろう。

東アジア選手権では海外組は軒並み不参加の模様だが、機能しないSB+コンビ不足の国内組攻撃陣という不安がいっぱいのままで突入する事になる。ここでいかにしてSBをチームとして組み込んでいけるのかが今後のジーコジャパンの運命を決める事になりそうである。

●採点

  • 楢崎 6.5 決定的なピンチも良く体を張って防いだ。
  • 山田 5.5 前半は中途半端なポジショニングでスカスカ抜かれたが、後半はクロスもいくつか。
  • 坪井 6 不用意な粘りでボールを取られかけた場面はあったが、まずまず落ち着いていた。
  • 宮本 6.5 いつものごとく三都主のお守りに奔走。クロス攻撃に落ち着いたポジショニングで何とか耐えた。
  • 三都主 4.5 クロスに対してはザル、攻撃は前に出てはストップしてパスといつものごとく攻守に全く機能せず。
  • 稲本 6 攻撃参加する場面はほとんど無かったが、さぼらずに後ろを良くカバーしていた。
  • 小野 6.5 攻撃の起点として正に日本のピボーテ。怪我明けの割には良く動いていた。
  • 中田 6.5 前半は良いアイデアでチャンスを演出し、いつも通り最後まで走り回っていた。
  • 藤田 6.5 労を惜しまない運動量でカバーに飛び出しにプレスに参加。今日はトルシエジャパンにおける森島だった。
  • 高原 5 決めるべきときに決めないと・・・ポストプレイもこれではブンデスじゃ厳しいだろう。
  • 柳沢 6 動き出しからチャンスを作るのはいつも、決めきれないのもいつも・・・
  • 大久保 5.5 まだ緊張があるのか彼らしい強引なシュートが無かった。無理なファールも多くて先発ではまだ危険か。
  • 遠藤 -

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