「ポジションレス、トータルフットボールへの道を邁進するドイツの恐ろしさ」FIFAコンフェデレーションズカップ2017 準決勝 ドイツ-メキシコ

2017/07/01 | ワールドカップ

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昨日の早朝に行われた試合で、ドイツが4-1で勝ったという結果は知っていたので、よほどメキシコがコテンパンにやられたのかと思っていたのだが、試合内容は意外と拮抗していてちょっと意外だった。

特にドイツが2-0とリードしてからの前半30分頃からは、ドイツのDFラインが上げられなくなってバイタルエリアでのマークが甘くなり、メキシコがセカンドボールを支配して猛攻を仕掛け、GKテア・シュテーゲンが足1本で止めたドスサントスの決定機や、チチャリートの抜け出しからのシュートなど、ここで1点を返していれば試合は分からなくなっていた可能性は高い。

とは言え結果は4-1。チャンスの数だけで言うとむしろメキシコの方が多かったぐらいなのだが、得点に至る効率性が全く違う。メキシコの攻撃は、各選手がボールを持ってから判断する事が多くて、ボールタッチやドリブルが1回入ることで、ドイツの5バックにポジションを修正され、結果的にシュートコースやフリーの選手を失ってしまっていた。

それに対してドイツは、ボールを奪ったらとにかく全選手が躊躇なくスペースへと走り出し、ボールをこねること無く基本的にワンタッチのインサイドパスやクロスでスムーズにボールを運んでしまう。しかも最初の2得点がボランチのゴレツカだったように、誰でもゴールに近い選手が前線へと飛び出すし、誰でも正確なクロスやスルーパスが出せてしまう。

得点を取る形も、基本的にはサイドに展開してダイレクトで中央にマイナスで折り返すか、ニアゾーンに飛び込んだ選手に流して、その選手がマイナスで折り返して中央で誰かがシュートという2パターンしか無いのだが、全てメキシコの守備が戻り切る前に行われるので、分かっていても止められない。

そしてドイツが4点目を決めた形。ドイツのフォーメーションはは3-4-3で、相手陣内でボールを支配している時にはボールサイドと逆のWBが前線に上がり、5トップ状態になってメキシコの4バックの外側でフリーになっているので、そこにスルーパスを出されると簡単に決定機を作られてしまう。浦和のミシャサッカーが得意とする形で、オーストラリアも3バックで来た時には日本に対してこの形を狙って来るはず。

2軍だろうが若手だろうが、どんな選手がどんなポジションで出ても、金太郎飴のように同じ形のサッカーを同じように遂行し、同じように勝ってしまう。ブラジルW杯の時にも思ったが、まさにポジションレス、トータルフットボールの理想形に向けてドイツ全体が一致して邁進している恐ろしさを感じる。

インサイドで止めて強く正確に蹴られる基礎技術、ポジショニングやボディシェイプといった個人と組織の戦術理解度等、育成段階から極めて高いレベルで強化していって初めて実現できるサッカーである。日本が目指すべき場所はまだまだ遠すぎると、ため息をつくしか無い試合だった。

 

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