閉幕の戯言
いや~とにかくうらやましい。
中田がペルージャに移籍してからプレミアに移籍するまで、下手をするとJリーグよりも数多くのセリエAの試合を見てきていて、それだけに近年は暴力事件やドーピング、審判買収のスキャンダルまみれでイメージが凋落していたイタリアに心を痛めていただけに、今回の優勝は本当に喜ばしいです。
この喜びは日本の事について考えてもしかりで、日本には確かにブッフォンやカンナバーロのようなGKやDFはいませんが、ピルロの役割は(経験を積めば)中村にも可能な仕事だったと思いますし、ボールを蹴る才能だけで言えばガットゥーゾは中田よりも劣っているのは確かですし、今大会ではイタリアのFWは総じて調子を落としていたわけですから、黒人のフィジカルパワー+アンリとジダンという天才のきらめきで勝ってきたフランスや、スーパータレントが渦巻くブラジルが優勝するよりも、ずっと我々にとって勇気付けられる結果になったと言えるでしょう。ただ、その紙一重の積み重ねが大きな差になるのは確かなんですけどね。
日本がイタリアに一歩でも近づくためには、若年層の選手に世界大会で適切な経験を積ませ、そこから海外移籍への道筋を再建し、それが国内の選手への刺激となってJリーグのレベルが向上し、結果と内容を出した選手をもれなく代表へと召集して切磋琢磨をさせ、その上で選手一人一人がチームとして統一された意思のもとで120%の力を出せる戦う集団となる事が必要とされるでしょう。
と文章で書くのはとても簡単で、実際それが出来るかどうかになると、オシムの手腕を持ってしてもとてつもない困難ではあるんですけどね。それだけ、この4年間で日本にもたらされた停滞・後退・荒廃が重大だと言う事ですよ。「結局日本には個の能力が足りなかった」と、トップや監督からして真摯な反省も無くヘラヘラしている状況では、今後もイタリアとは差が開くばかりになっちゃう可能性が高いかもしれませんがね(苦笑)。
さて、例年よりも遅くなりましたが、明日からここも臨時自転車サイトとなります(笑)。代表関係で何らかの動きがあったらサッカーについても書くかも知れませんが、しばしこの4年間を忘れる現実逃避に走る事にしますです。
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ドイツW杯決勝 イタリア-フランス(1-1PK5-3)
守備力はほぼ互角、攻撃についてはイタリアの方がポテンシャルはあるけれどもFW陣が不調、コンディションについては日程的に有利なはずのイタリアのほうが先に足が止まり、セットプレイを除けば決定機はほとんどがフランスにしか無かったという、サッカーに判定があるならば明らかにフランスの勝ちとみなされて仕方の無い試合であった。
それにしてもフランスは、ベテランが多いはずなのだが終始コンパクトな陣形とヴィエラやマケレレを筆頭とした中盤でのチェック、テュラムとギャラスによるCBの強さが機能し、トニとトッティに全く仕事をさせずにイタリアのカウンターを封じ込めた守備が本当に見事だった。攻撃でも後半動けなくなったジダンをカバーするように、マルダとリベリが高い位置に張り出してイタリアのサイドを蹂躙するなど、ゲームプランとしては完璧だったと言える。
それが逆の結果になってしまった原因は、理性的な話だけであればフランスの決定力不足とジダンの退場になるのだろうが、まさにマテラッツィ劇場とも言える、PK献上のファールとヘディングによる得点、そしてジダンの頭突きを誘った話術(笑)が、フランスが有する本来のペースを微妙に狂わせていたのかもしれない。
もちろんマテラッツィのオンステージだけでなく、鉄壁の働きを見せたブッフォンとカンナバーロ、中盤の名コンビと言えるピルロとガットゥーゾ、攻守におけるカギを握ったザンブロッタとグロッソというように、今回あまりぱっとしなかったイタリアン・トリデンテを他の全員がカバーした、チームが一枚岩となった勝利だったと言える。
今大会はプラティニが言うように戦術の大会となった事は否定しないが、戦術をこなすのも個人能力とコンディション、そしてチームワークや戦う気持ちが当然必要とされるわけで、その意味で今までの大会とは何ら変わる事が無い価値と楽しさがあった大会だったと言える。まあ、戦術とコンディションはもちろん、チームワークや戦う気持ちすらどの国にも劣っていた某国の事を考えれば寂しい気持ちに襲われるのは確かだが、せめて多くの日本人がこの試合を見て日本の足りない部分やふがいなさに怒りを持ってくれれば、少しは救われるのかもしれないが・・・悲しくてはかない希望だけど。
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ドイツW杯3位決定戦 ドイツ-ポルトガル(3-1)
ドイツはバラックを始めとしてフリードリヒやメルテザッカーが欠場、ポルトガルもフィーゴやリカルド・カルヴァーリョといった主力がおらず、しかしそれ以上に真剣勝負の必死さがダウンして、誰かさんが世界に対する自信を固めた(笑)コンフェデのようなヌルさが漂っていた試合だったが、そういったオープンな戦いになるとやはり決定力の差が出てしまうという定理も、再確認させられたと言える。
ポルトガルはドイツの1対1での守備の甘さにも助けられて、1トップのパウレタにも珍しくチャンスが多く訪れたのだが決められず、逆にシュヴァインシュタイガーの内側への切れ込みを簡単に許してしまって2失点+オウンゴールなのだから、まあポルトガルの悪いところが全て出てしまったような試合だった。
逆にドイツの良さはこの試合でも安定していて、守備の甘さはともかくとしても、ボールを奪ってから攻撃に転じる速さ、そしてカウンターのチャンスになれば、前線の選手のダイアゴナルな動きに正確なミドルパスを合わせ、遅攻の選択肢になればサイドからオーバーラップしてくる選手とのコンビでサイドに起点を作るといった、異なった攻撃パターンを精度高く実行できる能力を見せ付けていた。
どこぞの代表は自由自由と言いながら、結局はボールを奪ってからの人数をかけたコレクティブなカウンターでしか攻撃を作れず、中田や中村がマークされて全体のコンディションが落ちれば手も足も出なくなってしまったのだが、ドイツを見れば完成された攻撃の形が最低2つあれば(守備を別にすれば)攻撃面では結果が残せるわけで、その辺はオシムに対しては釈迦に説法でしょうが、この12年で実現できなかった事が見られるようになる事を期待したいものです。
あと、日本人にとっては試合の中身以上に注目だった上川主審のレフェリングでしたが、もうちょっと流してもいいかなとは思いましたが、試合開始早々のPA内でのハンド以外は、前半終了間際のCロナウドのシミュレーションもファールを取らず、良い意味で主審が試合の邪魔をしない内容になったように思います。ハンドもドイツが負けていれば問題になったかもしれませんが、結果オーライになって何よりです。そこまで両者の差を読んでいて試合のテンションを下げないようにする事を優先していればパーフェクトなんですが、さすがにそこまでは考えてないでしょうしね(笑)。とにかく、これがJでの基準になってくれると嬉しいんですがねえ。
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ドイツW杯準決勝 ポルトガル-フランス(0-1)
どちらも守備力を売りとして勝ち抜いてきたチーム同士の対戦なので、先制点が試合展開に大きな作用を及ぼすと予想されたのだが、それがそのまま結果に現れてしまった試合となった。
ポルトガルは、序盤こそアビダルが上がったスペースを使ってフィーゴやCロナウドがドリブルを仕掛ける場面を作ったものの、すぐにフランスがSBの上がりをセーブしてジダンとアンリ以外の8人によるコンパクトな2ライン守備を固めたために、彼ら両翼からの攻めに対して常に数的有利を作られてしまい、パウレタに高さが無いために前半35分の失点後は、バルテズが弾いたボールに詰めたフィーゴのヘディング以外は、ポルトガルはほとんど決定機を作り出すことが出来なかった。
前の試合からデコやコスティーニャといった中心選手が復帰して、フレッシュな状態で戦えるポルトガルが明らかに有利と思われたのだが、現実は全くの逆で彼らはこの試合では全く目立たず、ヴィエラとマケレレを中心としたフランスの分厚い守りの前に、ひたすら所在なげに中盤をウロウロするだけで、完全に存在感を消されてしまったのも誤算だったはずだ。
とは言え、フランスの戦いはお世辞にも見事だったとは言えず、攻撃に関してはたまにリベリが飛び出す場面があっても、ほとんどはジダンのキープ力とアンリのスピードに頼ったものだけで、それがフランスのようにラインを作ってサンドするのではなく、流動的な中盤がボールホルダーに突っかけていって最後はリカルド・カルバーリョがボールを拾うと言った、ややブラジル的な守り方をするポルトガルの守備に、うまくはまった格好でPKをゲットしただけとも言える内容だった。
この試合での全体的な運動量ではベテランの多いフランスよりも、ポルトガルのほうが勝っていただけに、もしポルトガルに先制点が入っておればポルトガルが楽に勝っていただろう。そういう意味ではまさにポルトガルらしい負け方だったのだが、ストライカー不在の中でのこの結果は良く頑張ったと言える。不運ではあったが、胸を張って母国に帰れるだろう。
これで決勝はイタリアとフランスというカードになった。コンディションや日程面でイタリアが有利なのは確かだろうが、互いに守備に強みを見せる対決なので、これも先制点がどちらに入るかでパワーバランスが一気に傾く試合になるはずだ。フランスはイタリアに比べて攻撃的な手駒が少ないだけに、より先制点を与えない注意深さが求められるだろう。
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ドイツW杯準決勝 ドイツ-イタリア(0-2)
90分の試合だけで見れば、この試合はドイツのものであった。
戦前の予想通り、どちらも守備に重点を置いた根気勝負のような試合展開が続いたのだが、ドイツが4-4-2のコンパクトな3ラインを決して崩さずに、イタリアのカウンターをラインコントロールとトッティへのケールの厳しいマーキングで序盤以降は完全に封じ込めてしまったのに対し、イタリアはただでさえ低いDFラインの上にカンナバーロがあまり動けなくてバイタルエリアが開いてしまい、ドイツに攻め込まれる場面を多く作ってしまっていた。
ただ、ドイツもゾーンバランスを崩さず慎重にグラウンダーのパスをつなげての仕掛けが多かっただけに、最後はしっかりとシュートコースを消すイタリアの狡猾な守備の前に決定機一歩手前までは行けても決定機にはなかなか至らず、バラックも疲労で調子を落としているのかプレイに切れが無くてドイツの攻撃にアクセントがつけられなかったのも、イタリアに最後まで守りきられた原因だったように思う。
しかし延長に入ると、いきなりドイツの運動量ががたりと落ちてしまい、右サイドにイアキンタを投入したイタリアが活性化して2度のポストとバーに当たるシュートを放ったのだが決められず、イタリアもペースが落ちて完全にカウンターの応酬となり、同じくドイツもポドルスキーが2度の決定機に決められずにこれはPKかと思われた118分に、CKのこぼれ球からグロッソがポストぎりぎりを巻いて入る見事なゴールを決め、直後のカウンターからデルピエロが得意の左45度から決めて、劇的な幕切れでイタリアがホームのドイツを下すことになった。
ドイツとイタリアの運命を分けたのは、最後の最後での集中力の差という事になってしまったわけだが、ドイツはここまで本当に良く健闘、成長したと思う。もちろん観客の後押しもあったのだろうが、成熟した守備組織はもちろん、選手1人1人の献身的な運動量と1対1での体を張った頑張りが素晴らしかった。大会前にドイツと引き分けを演じた某国とは正反対の方向に進化した大会だったと言えよう(笑)。
イタリアは復調が期待されたトニとトッティが期待を裏切る出来でありながら、ブッフォンを中心とした守備の頑張りとグロッソやペッロッタといった地味な?選手の活躍で開催国に勝てた事は非常にラッキーかつ大きな勝利だったと言える。ネスタの復帰はまだはっきりとしていないし、カンナバーロの体調が不安ではあるが、決勝の相手にフランスが来るにしてもポルトガルが来るにしても、守備面では互角以上の戦いが出来るだけの力があるのは間違いない。あとは攻撃陣の奮起のみだ。
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ドイツW杯準々決勝 イングランド-ポルトガル(0-0PK1-3)
当然の事ながら現在のイングランドメディアは退場劇にからんだルーニーやC・ロナウド、そしてエリクソン監督への集中砲火を浴びせているようだが、前半はポルトガルのパスワークに対して1トップで中盤を厚くしてペースを握らせず、後半になるとベッカムの怪我があったとは言えレノンのドリブルで攻撃が活性化されてランパートやジョー・コールの決定機を作ったわけで、イングランドのゲームプラン自体はそれほど間違ってはいなかったように思う。
ただ、それまではいかにも攻撃に閉塞感が漂っていたイングランドが、ルーニーの退場によって一気に全員の意識が吹っ切れて、観客の後押しもあって1人多いポルトガルに対しても互角以上の戦いを見せていたのだから、最初からこういうイングランドらしいサッカーをやれという監督のメッセージがあれば、こうまでこの敗戦でエリクソンが叩かれる事も無かったんじゃないかとも思う。
それにしてもイングランドは、FWの怪我に世界一のCHコンビの不調という問題点に最後までつきまとわれて本当に不運だった。デコを欠いて攻撃はC・ロナウド頼みだったこの試合のポルトガルは、本来のパフォーマンスからははるかに遠い出来だったと言えるだけに、ここで勝てなかったのはイングランドにとって実にもったいない事であった。
ポルトガルは最低の出来の試合をPK戦でものにして、次はデコやコスティーニャが復帰と波に乗るパターンになったと言えるが、次の相手はスペインをフィジカルで粉砕したフランスが相手だけに、同じ弱みを持つポルトガルがいかにスペインと同じ轍を踏まない策を講じられるか。ブラジルのようにジダンを自由にさせてしまってはポルトガルも苦戦は免れないだろう。
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ドイツW杯 準々決勝 ブラジル-フランス(0-1)
大本命と見られていたブラジルが敗れてしまった。しかし、考えて見ればここまでブラジルはフランスのような世界的なストロングポイントを持っているチームとは対戦していなかったわけで、初めて訪れた壁を前にして、ロベカルやカフーの衰え、カカーとロナウジーニョの不調、デブの運動量といったエクスキューズが露にされてしまった試合だったと言える。
この試合でブラジルはアドリアーノを控えにしてロナウドとロナウジーニョの2トップのような形にしたのだが、ロナウジーニョがボールを持ってリズムを作っていたのは前半のわずかな時間のみで、その後はアドリアーノを投入するまでフランスの厳しい守備の前に完全に存在を消されてしまった。しかも、その手を打ったのが後半も18分になってからで、それもFKに強みを持つジュニーニョ・ペルナンブカーノを下げてのもので、ロスタイムにゲットした右足での絶好のFKチャンスにロナウジーニョが上に外した場面が、今回のベテラン&有名選手優先のブラジルを象徴していたかのようなプレイだった。8年前にもナイキがらみで決勝でのロナウドの出場うんぬんが取りざたされただけに、日本と同じような問題があったのかもしれないが・・・
フランスはここに来て、アンリの1トップにジダンのトップ下、あとは皆労働者といった役割分担を完全に明確にして、守ってとにかくジダンにボールを預けてあとはアンリによろしくといったサッカーになってしまったが、それが変に守備的に走ったブラジルに関しては実に効果的だった。次は同じように攻撃はクリスティアーノ・ロナウドが頼りなだけのポルトガルが相手だが、同タイプ対決ならば分はフランスにありそうだ。
とにかくこれで攻撃的な性格を持つチームが全て敗退し、ベスト4全てが欧州勢となったわけだが、リーグ戦の日程に余裕があって気候と時差の問題が無ければ、堅い守備を保てる組織とコンディションを有するチームが現代サッカーでは強いのだという価値観を改めて証明する事になった大会だったと言えるだろう。まあどこぞの極東の国は両方とも放棄してしまったんだけどね(苦笑)。でも本当にブラジルの敗退は残念だなあ・・・
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ドイツW杯 準々決勝 ドイツ-アルゼンチン(1-1PK4-2)
意外な早い時間での得点、怪我で選手交代枠を使ったこと、フィジカルに勝る相手に早めに守備に回る、カウンターから決定的チャンスがあっても決められず、そして最後は追いつかれると、まるで日本対オーストラリアをなぞったかのような試合となった。結局はPK戦までもつれこんだのだが、ドイツは完全なホーム、アルゼンチンのGKは控えとあっては、PK戦に入った時点で勝負は決まっていたと言える。
もちろん、試合のレベルは比較にならないし、アルゼンチンは日本ほどグズグズにならずにはるかに集中力高く守ってはいたのだが、フィジカルに勝る相手に対して引いて守りきるには、やはり相当な運の力が必要になって来るのも確かで、そういう意味ではリケルメを下げて守備的なカンビアッソを入れたり、相手の裏を狙えるサビオラやメッシを使わずに負けた事は、所詮結果論とは言えペケルマン采配に批判が集まるのも仕方ないだろう。
ドイツは戦術うんぬんよりも、久々にゲルマン魂という言葉を思い出させるような、球際での粘りや最後の一歩の出足といったところで、最後までアルゼンチンを上回る執念を見せた事が勝利につながったように思う。ただ、この試合でも得点にからんだバラック以外に展開に変化をつけられる選手がおらず、バラックが足を引きずっていてコンディションに不安を抱えている状態では、イタリア相手にこの勝負強さが発揮できるかどうかは微妙なところか。イタリアがアウェイでは引き癖を見せてしまうのは間違いないだけに、ホームの後押しで得点を積み重ねたいところだ。
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