「日本のU-19代表ボランチ陣は、ヴァイグルの爪の垢を煎じて飲むべき」UEFAチャンピオンズリーグ グループF スポルティング・リスボン-ボルシア・ドルトムント

この試合で異例のGK2人がベンチ入りをするなど、怪我人が続出してサブメンバーすら足らず、10台の若手を試合に出さざるを得ない苦しい状況のドルトムント。今節は、勝ち点1差でグループ3位につけているスポルティング・リスボンとのアウェイ戦という厳しい試合ではあったが2-1で勝利し、決勝トーナメント進出に向けて大きな勝ち点3を獲得した。

しかし試合内容としては良くこれで勝ったなという代物ではあった。この試合でドルトムントが敷いて来たフォーメーションは、インサイドハーフにゲッツェと香川を並べ、アンカーにヴァイグルを置いた4-3-3だったが、正直とても機能していたとは言えなかった。

まずドルトムントがボールを持つと、SBとインサイドハーフが1列ずつ上がって2-3-4-1のような形になるのだが、ヴァイグルが相手の2トップ、ゲッツェと香川がカルバーリョとエリアスのマークを受ける形になって中盤が機能せず、マッチアップ的にフリーになるSBのパスラックはいつもと違うサイドでスパスパ抜かれるなど不安定で、かなりリスボン陣内に入る事に苦労していた。

それだけに、前半9分にゲッツェの浮き球パスから右サイドをスピードで千切って決めたオーバメヤンの先制点は大きかった。普通、あれだけの加速でPA内に入ったらクロスを上げるのが関の山なのだが、そこから急減速して左に持ち替えてチップキックを出す芸当はとても人間業とは思えない超人的な身体能力である。

そして前半終了間際の、かつての香川を思わせるような一瞬のフェイントでDFの逆を取るヴァイグルのミドルシュート。ヴァイグルはシュートだけでなく、1ボランチとして孤立無援の状況ながらリスボンの2トップに入るボールにタックルをしつつ、縦パス、展開パスをチームに送り続け、まさに試合のMVPと言える働きぶり。しかしそれを見るにつけ、ダブルボランチで大したプレスを受けてないのに前を向けず横パスしか出せない、日本U-19代表のボランチ陣が情けない。君らとヴァイグルは年が3つしか離れてないんだぞと言いたくなる・・・

もとからどういう指示をしていたのか謎なのだが、トゥヘル監督も後半にはやや中盤を修正して、香川が下がり目にゲッツェが上がり目になった4-2-3-1のような形にした事で、ようやく香川も安定してボールに触れてパスを出せるようになったが、チーム全体のダイナミズムが低下してリスボンの攻勢を受けてしまい、横方向にサイドチェンジをしてプレスを交わすパスが主体で、得点につながるようなキーパスは出せなかった。

後半22分に、バルトラのバックパスをGKビュルキが手で触ってしまって間接FKが与えられ、ブルーノ・セザルに蹴り込まれて失点するなどバタバタ。後半はリスボンのシュート数6に対してドルトムントは2本と苦しい状況になったが、相手の決定力不足にも助けられて何とか逃げ切った形になった。

香川は先発のチャンスはもらえたが、特に前半は後ろ向きでボールを受ける回数が多くて、2列目が横並びになってしまった状況ではそこから縦にパスを出すこともままならず、守備ではゾーンを離れすぎるゲッツェのカバーに奔走していたが、攻撃面でのアピールはできなかった。香川にボールを落とすポストプレイヤーと縦パスをくれるDFが居ない現状では、まだまだ安定した活躍は難しそうである。

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