千葉の関塚監督に見る、戦術を作れない監督がJリーグでもてはやされる理由

昨日はドルトムント対ダルムシュタットの試合を見ようかなと思ったのですが、同じ日にヨーロッパリーグがあるし、引き分けに終わった試合だったので気乗りがせず、スカパーの無料キャンペーンの間に録画しておいた、大宮対千葉の試合を見ておりました。

試合は大宮が2-1で勝ったわけですが、その結果より何より、千葉のサッカーが関塚監督の就任から1年以上経った今でも、守備戦術が見事なまでにバラバラなのに衝撃を受けてしまいました。

DFラインは4人で一応並んではいるのですが、そこから前の選手のポジショニングがあまりにもフリーダムで、中盤の選手が前へとプレスをかけには行くのだけど、後ろが全く連動していないので1人が交わされると後ろがスカスカ、大宮の選手がスペースを使い放題という有様。

大宮の先制点も、本来であればアンカーの役割を務めるべきパウリーニョがどっか行ってて、守備選手はDFラインの4人と佐藤健のみ。それでCBがボールホルダーへプレスをかけたんだけど、そのスペースを誰も埋めに行かず、間をムルジャに割られて失点。2点目も、サイドに2人がカバーへ行っているのに、何を思ったかCBの1枚が前へ当たりに行ってしまい、その後ろのスペースをやはり誰も埋めずに放置してドリブルからクロスの失点と、とにかく誰が行けば誰がカバーするかの約束事が全く出来ていない。

この試合を見た後、千葉サポーターのブログをいくつか見てみたのですが、結構多くの人が後半の反撃から1点返した事で前向きに考えている人が多いのに驚いてしまいました。私は千葉サポじゃないですが、今ごろ守備すらまともに構築できていないようでは、関塚監督が務めている限り千葉のJ1昇格は無理なんじゃないかという危機感を持ちましたよ。

昨日の昼に、たまたまTwitterのタイムラインで流れて来た、『「パソコン監督」たち、革新的戦術で独サッカー席巻』という記事を読んだのですが、この試合を見た後で思ったのは、Jリーグにもこの流れは確実に来ているなという事でした。

このコラムでは具体的な戦術について書かれてはいませんが、乱暴にくくってしまうとドイツにおける「パソコン監督」とは、ドルトムントのトゥヘルに代表される、SBを高く上げたポゼッション指向で、高い位置でのサイドチェンジを多用する4-1-4-1戦術を好む監督、と言えるかもしれません。そしてケルンやハノーファーのように、4-2-3-1や4-4-2でゾーンだけどカウンター指向という戦術は少し古い考え方になりつつあります。

日本の場合、柏の吉田監督のようにポゼッション4-1-4-1を採る新しもの好きはいますが(笑)、全体的にドイツよりも戦術レベル的には1世代古く、大宮の渋谷監督、金沢の森下監督、レノファ山口の上野監督らのように、攻守が連動したゾーン・ディフェンスを使いこなす監督が新世代の「パソコン監督」と呼べる存在でしょう。

それに対し、旧世代と言えるのが守備は構築できるけど攻撃はある程度選手任せという監督。典型的なのが山形の石崎監督で、松本の反町監督やU-22の手倉森監督、ガンバの長谷川監督もここに含まれるように思います。個人的には、関塚監督もここなんじゃないかと思っていたのですが・・・

そして最後が、良く言えばセレクタ型、悪く言えば戦術も選手任せな監督。居ますよね、名古屋とか川崎とか・・・(笑) でも、Jリーグで実績を挙げて名将と呼ばれる監督は、何故かこのタイプが結構多かったりするんですよね。

その理由として個人的にポイントだと思っているのは、まさに「戦術も選手任せな」部分。全盛期のガンバは(と言うか今でも)遠藤のチームでしたし、関塚監督の場合も実績を挙げた川崎時代には中村憲剛という中心選手がいました。ベスト4になったロンドン五輪も、山村や吉田麻也が中心になって選手主導で戦術がまとめられたようです。戦術を全体に波及できる能力を持った中心選手がいる場合、セレクタ型の監督は機能します。

特に日本のベテラン選手の場合、あまり戦術的な指導を若い時に受けておらず、ブラジル的なサッカー観で育った選手が多いので、下手にゾーン・ディフェンスへと当てはめてしまうと破綻してしまう可能性が高いです。クラブの場合は代表と違って戦術に合わない選手を呼ばないという選択は難しく、ベテランが多い強豪になればなるほど戦術的な監督がやれる事は少なくなります。もし自分が監督でゾーン・ディフェンスを構築しようと思っても、チームに闘莉王や細貝、ガンバの遠藤とかがいたら絶望しますよ(笑)。

しかし、ゾーン・ディフェンスを採用するユースチームは増えていますし、リオ世代以降の若手選手は戦術に対する馴染みが明らかに早いです。今までは選手主導だったJリーグのサッカーも、これからの時代は間違いなく戦術指向に変わっていくのではないかと思っています。

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