「日本、アルゼンチンに完敗」

トルシエ時代とは全く違った、角沢とセル塩の前向きポジティブ盛り上げもむなしく、0-2の完敗。
極めて不満である。
前半は確かにコンパクトな布陣で、オフサイドラインを意識したコントロールが伺えたが、その時点ではアルゼンチンは最後こそきっちり守っていたものの中盤のプレスがゆるく、中村や小笠原がフリーで扱える場面も目立ったが、後半始まってプレッシャーをかけはじめたら完全に後手に回ってバタバタ、瞬く間に2失点。TVなどでは強いアルゼンチンに良い経験をした、チャンスは作った、などと懸命にフォローしていたが、得点チャンスも真に決定的なものは、名良橋のミドルを偶然トラップできた高原のシュートぐらいしかなかった。あとはシュートとは言えゴールから遠いものがほとんどであり、惜しいと思わせるものではなかった。チャンス1歩手前はたくさん作るものの完全な決定機がほとんど無いというのは、まさにフランスW杯の再現とも言える。これが2002年にベスト16に入ったチームが見せるべき試合だろうか。海外組が少ないとは言え、4年前よりはるかに経験のあるメンバーが揃っていて、ホームで、しかも相手はコンディションの悪いアルゼンチンである。それで今さら良い経験で済ませられる神経が分からない。
選手について言えば、まずFWのコンビに問題がある。鈴木と高原は強さはあるものの、アルゼンチンの強いCB相手ではスピードで勝負できるタイプがいないとつらい。高原も前を向いた場面での1対1での強さは見せてくれたが、それだけでゴールが入るのはアジアまでである。世界と戦うにはいくら1人で頑張っても無理だ。それにはスピードという武器が必ず必要になるので、三都主か柳沢を相棒に使う必要があるだろう。中盤では、まず中田と服西のボランチコンビはミスも多く、守備力、ボールの落ち着き共に不満が残った。ミドルシュートの機会が少ないのも現代のCMFとしては物足らない。ここは小野+戸田で行くべきだろう。中村と小笠原は健闘したものの、FWとの距離が開いていたのではどうにもならない。それはフランスW杯でも証明されたことだ。ことに中盤が薄くなる4バックでは、もう少し前進するパワーが欲しい。今の選択では中田+稲本というところだろう。12人いれば今の中村でも居場所はあるのだが。
致命的なのは、ベテラン揃いのDF陣の技術の無さだ。名良橋はクロスが心もとなく、中西は頑張るものの守備のみ、山田はベテランでは無いものの、ミスだけやって、何をしに出てきたのかさっぱり分からなかった。DFも、秋田は「こういう経験を積んでいけば」と言っていたが、そういう経験を買われて使われているんじゃないのか!と思わず突っ込んでしまった。失点場面では不意を突かれて中盤のプレスがかかっていなかったという不幸はあったが、試合ではそんな場面はどんな強豪であっても生まれてしまう。そういう時に最後に頼るのは結局は忠実なマークか、リスキーなオフサイドトラップである。どっちつかずが一番いけない。正にそのいけない事をやってしまったのである。
それより何より、このチームはどうやって勝つのかというコンセプトが全く分からなかった事がフラストレーションになっている。確かに、中でキープして外に流して名良橋の上がりからクロスというのは、一見攻撃の形が出来ているように見えるかもしれない。しかし、そこにFWが2人いても、彼らはファンホーイドンクでもクライファートでもない。セリエAでビエリのような相手に仕事をしているサムエルにとっちゃ何てこともない競り合いだろう。つまり、FW以外の2列目、3列目がつぶれたFWの裏に走りこむ形を作らないと、永遠に「攻撃のカタチ」を作って満足するだけに終わるだけである。従って、バックラインの押し上げは不可欠であるし、そうなるとサッカーライター連中の大嫌いなフラットライン守備となるわけだ。
と言っても、今さらフラット3に戻すべきだとは思わない。4年やってきてちょっと飽きてしまったってのはあるし、守備のバランスを考えたら、やはり4バックは捨てがたい。3バックよりもラインコントロールは難しいが、キエーボなど美しくコントロールしているチームはあるし、日本でも、3年の時間があれば構築は可能だと考えている。ジーコが方法論を持っているかどうかは分からないが、「山本コーチなら」今日の試合を見る限りでは可能だと思う。SBの人選は問題だが、個人的には何も突破力だけを考える必要は無いと思っている。この試合を見ても、確かに名良橋がフリーになる場面は多かったが、中盤でつないでアルゼンチンの選手を真中に集めてから外に展開しただけのことで、決して早い攻撃にはなっていなかった。中にしっかりとマークがついた状態で、いくらえぐってフリーでクロスを上げても、マーカーを抜いて中のDFをつり出さない限り、かえって跳ね返されてSBが上がった裏を狙われるだけで、一見チャンスには見えるが、単に墓穴を掘っていただけのように思う。
今のサッカーでは、とにかくゴール前でフリーな選手を作ることが大事であり、それには中盤でためを作ってSBが後から上がるよりも、早いタイミングのアーリークロスでSBが戻る距離も減らしつつDFのマークが付く前にFWが勝負するか、まず中盤からFWにパスを早く回し、そのフォローとしてSBが上がる形でミドルシュートなりコンビで崩すなりした方がいいのではないだろうか。そういう意味で、中盤の選手を配したり、足の速いCB、例えば坪井やジュビロの鈴木をコンバートするという方法もありうると思っている。
ともかく、まだ本格的な合宿をしていないと言う点で、まだ結論を保留する余地はある。次の本格的な対戦はコンフェデ杯になるが、そこで未来の見えない戦いで終わるようでは、監督更迭もやむを得ないと考えるべきだろう。デルネーリ来ないかなあ・・・

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2002/11/23 | コラム・書評

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