「代表にとって、新しい内田篤人になれるポテンシャルを見せた原口」ドイツ・ブンデスリーガ第14節 マインツ-ハノーファー

原口が10番を背負って移籍したものの、これまでは上手くチームにフィットせず、浅野も期待を裏切る出来でリーグ戦わずか2勝、降格圏に沈んでいるハノーファー。今節は久々に原口と淺野が先発に戻って来た。

ここまでリーグでは10位とまずまずなスタートを切っているマインツは、中盤ダイアモンドの4-4-2、ハノーファーは原口が右WB、浅野が2トップの一角に入った3-1-4-2のフォーメーションでスタート。

前半8分に、DFラインを抜け出した淺野がロングボールを胸トラップ、流れたボールをワイダントがシュート、直後にはワイダントがサイドからクロスを淺野がニアで合わせるチャンスを作ったがどちらも決まらず。

しかし前半12分に、右サイドでサイドチェンジを受けた原口が切り返してからクロス、相手に当たってコースが変わったボールをワイダントがボレーで決めてハノーファーが先制点をゲットする。

ハノーファーは相手ボール時にはほぼ5バックのベタ引き状態で守り、26分にはハンドを犯してPKに見えたが、VARでヘディング後に腕に当たってノーファールという判定でハノーファーは命拾い。

その後もマインツは圧倒的にボールを支配。DFはほぼ2バック状態で、アンカーとの3人でハノーファーの2トップのプレスを交わし、インサイドハーフとSBで中盤の数的優位を作って攻め立てる。

最初は2トップにしていたハノーファーだが、前半の途中からマインツのDFにプレスをかける事を諦め、淺野が1列下がった5-4-1の形にシフト、自陣にソーンを作って待ち構える守備戦術に方針を固める。

後半はいきなりアウェイスタンドでの発煙筒によって試合が一時中断するアクシデント。試合展開は前半と変わらずマインツがボールを支配、ハノーファーも粘り強く守っていたが、17分にラッツァのシュートがポストの内側に当たる危ないシーンも。

5-4-1からさらに7-2-1になってサンドバック状態になっていたハノーファーだが、後半27分に淺野が抜け出しGKと1対1になるもシュートは防がれる。相変わらず得点力に期待は出来ないけど、戦術関係なく一発のパスだけでチャンスを作れる淺野の良さが見えたシーンだった。そして33分に交代。

残り10分はハノーファーがほぼPA内に9人を固め、攻撃をクリアしてもほぼセカンドボールを拾われる苦しい展開が続き、それでも何とか耐え忍んでいたが、後半42分にマテタがPA内でドリブル、オストルツォレクが軽く当たっただけに見えたが、マテタを倒したとみなされPK、マインツがとうとう同点に。

ロスタイムは発煙筒中断の影響で10分に及び、同点に追いつかれたハノーファーも原口が久々に高い位置に上がって攻勢に出るも、ロスタイム7分にウジャーがゴールを決め、マインツが土壇場で勝ち越しかと思ったがオフサイドの判定でノーゴール。試合は結局1-1のドローで終了した。

試合に勝つことは出来なかったが、浅野も原口もこれまでよりは自分の持ち味を出したと言える。特に原口はWBでありながらほぼSBのようにプレイ、攻撃参加した時にはアシストを決め、DFラインに入っても淺野などにビルドアップのパスを出して内田のようなプレイを見せていた。2列目が飽和状態の代表にとっても、原口のWBやSB起用は検討すべきプランではないだろうか。