「守って走れば良いポジションという概念が、日本を世界から遠ざける」トゥーロン国際大会 グループC 日本-カナダ

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トゥーロン国際大会の準決勝には、3つある各グループ1位と、2位のうち成績が最も上位の1チームだけが進めるため、日本にとってもカナダにとっても勝利が必要なグループリーグの最終戦。

日本はポルトガル戦から、一発退場になった山口の代わりにGKにはオビが入るなど、4人を入れ替え。前線の3人は、1トップには小川が復帰して森島、三好のシャドーは変わらず。カナダは前節から7人が変わって、4-1-4-1のフォーメーションで来た。

試合は日本が最初からボールを支配するも、初瀬がボールを奪われてから1本のパスで決められて失点。日本は板倉と松本のボランチにマークを付けられ、サイドからしかボールを回せず、そのサイドも研究されて縦をしっかり切られ、そこから1対1で勝てないために相手に狙われてボールの取りどころとされてしまっている。

カナダのサッカーはゾーンを作り、フィジカルを活かして早めにマンマークに入る守備で相手のミスを拾い、大きな展開からカウンターを狙うという単純なスタイルなのだが、日本はプレッシャーにビビってなかなかセンターから攻め手を見つけることが出来ない。

前半30分頃から、日本は積極的なプレスでボールを奪ってから高い位置でサイドに展開する攻撃を見せ始めるが、クロスの精度を欠いて決定機を作るまでには至らず。エースの三好もいまいちプレイの精度を欠いてもどかしい攻撃が続く。

日本は後半から、小川と森島に代えてポルトガル戦で勝利の立役者となった上田と三苫を投入。これで前半には無かった前線のスピード感が生まれ、それに釣られて守備のスピードも上がった日本が試合を支配するも、ラストプレイの精度を欠いて決定的な場面を作れない。

しかし後半20分、上田に向けたロングボールを相手がクリアミス、それを拾った三苫が切り返しから相手3人を置き去りにするシュートを決めて日本が同点に追いつく。その後も三好が2度のチャンスに絡み、初瀬のFKから三苫、中山とシュートを放つが決められない。

後半終了間際、一発のロングボールから初瀬がシュートも枠外。その後もボールを支配しながらもシュートまで持って行けず、4分のロスタイムも攻め切れず試合終了、後半の日本はカナダに対して圧倒的に攻め込みながらも勝ち越し点が奪えず、勝ち点4のグループ3位に留まり、準決勝へと進むことが出来なかった。

前の試合でも書いた事だが、やはり3-4-2-1のフォーメーションで行く場合は、シャドーとWBの両方がサイドアタッカーとしての高い能力を持っていないと攻撃が必ず手詰まりになる。シャドーについては、本大会では堂安や久保、伊藤達也が入るので大丈夫だろうが、問題はWBである。初瀬は上下動はいいけど攻撃センスが厳しくて酒井高徳2号だし、右はそれ以上に存在感が薄く、なぜ橋岡を起用しなかったのか謎。

ポジショナルプレーが重要視されている現代サッカーでは、各選手が攻撃面で1対1での勝負に勝つ事が求められ、今までは守って走れれば良かったWBやSBの攻撃能力が、チームの力を大きく左右するキーポジションになっている。残念ながら、日本の育成にはまだその観点が抜け落ちていると言わざるを得ない。

そしてもう1つ気になったのが、プレスの弱さと連動性。この試合でもカナダがマイボールになった時に、全員がガンガン前から行けばボールは奪える展開だったにも関わらず、誰かが一歩緩めてしまったせいで相手にボールをキープされ、それがきっかけで全員が下がらないといけない展開になる事が多かった。

初瀬のミスから失点になった場面も、もっと全員が前から追い回す姿勢が持てていれば奪い返した可能性はあったのに、その時はチームの足が止まってしまっていた。こういう経験を無駄にせず試合の流れを読んだ攻守の切り替えを学んでいかないと、五輪本番でメダルを取るなど夢のまた夢になってしまうだろう。

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2018/06/04 | 五輪代表

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