「5-4ゾーンによる手厚いフォローから、CBが丸裸になってしまう自分たちのサッカーへ」イングランド・プレミアリーグ 第38節 サウサンプトン-マンチェスター・シティ

前節に残留争いのライバルであるスウォンジーとの6ポイントマッチに見事勝利し、最終節を残してスウォンジーに対して勝ち点差が3、得失点差が9と、とんでもない大敗さえ喫しなければ残留が決まる立場になったサウサンプトン。

しかし相手がリーグ優勝のシティが相手とあって、気が抜けないサウサンプトンは5-4-1の守備的フォーメーションで、前々節に退場を食らってしまった吉田は3バックのセンターで復帰。シティは4-3-3で3トップはサネ、ベルナルド・シウバ、スターリングという並びだが事実上の0トップで、3人が前線で自由に入れ替わるサッカー。

試合は当然のようにアウェイのシティがボールを支配、サウサンプトンは自陣に5-4のコンパクトなブロックを作って守る形。しかし中盤は常にシティの縦パスを狙っており、何度かカウンターから良いチャンスを作ると、前半7分にフートがCKから強烈なヘディングもクロスバー。

前半15分ぐらいからはほぼシティのハーフコートゲームになり、サウサンプトンも1トップのオースティンまで下がって守備をし、ボールを奪っても前に誰もいないスペースに向かって蹴り出すだけ、というシーンが多くなる。

残り10分頃から、サウサンプトンも自陣でのビルドアップにリズムが出て来て落ち着きを取り戻し、シティも分厚いブロックに対してミドルシュートを打ったりするが、結局前半はシティの枠内シュートはゼロで終了する。

後半14分、ペップ監督はデルフを下げてジェズスを投入、3-1-4-2のフォーメーションにした事でシティのWBがフリーになって基点を作り、そこからゴリゴリと個人の打開力を交えて迫力ある攻撃を見せ始める。

交代直後から続いたシティのセットプレイで。まずはスターリングのシュートがポスト、ストーンズのヘディングがクロスバー、デ・ブルイネのミドルがわずかにポストの外と決定的なチャンスを作るシティ。

しかしサウサンプトンもSHがWBを見るように守備を修正、シティが前がかりになったところでサイドへの飛び出しを中心に何度かカウンターを仕掛け、後半34分にはDFラインをスルッと抜けたタディッチがPA内でGKを交わしてシュートも、ライン上でフェルナンジーニョがギリギリクリア、サウサンプトンはこの試合最大の決定機を逃す。

その後は大きな動きなく試合はそのままロスタイムに入り、このままドローで試合終了かと思われた92分、一発のロングパスにジェズスが左サイドから抜け出しループシュート、吉田が必死のカバーも届かずゴールを決められ試合終了。

これでシティはプレミアリーグ史上初の勝ち点100の大台に乗せ、サウサンプトンもちょっと後味は悪いがスウォンジーがストークに負けたために残留が確定、いちおうは大団円な最終節となった。

吉田はCBのセンターとしてDFラインを統率、デ・ブルイネらがゾーンの間でボールを受けようとするプレイにはしっかり当たりに行き、クロスやセットプレイに対しても集中してプレイが出来ていた。それだけに、最後の一発はもったいなかったね。今期はチームも吉田も苦しんだけど、ヒューズ監督が続投するなら来期はプレイ機会も安定するんじゃないだろうか。まあ、その前にワールドカップで「自分たちのサッカー」という守備陣イジメが待っているわけだけど(笑)。