「HSVの初降格に発煙筒が投げ込まれるも、伊藤を筆頭とした選手の奮闘には温かい拍手」ドイツ・ブンデスリーガ 第34節 ハンブルガーSV-ボルシアMG

長かったドイツ・ブンデスリーガも今節が最終戦。他力本願ではあるがわずかに1部残留の可能性が残っているHSVは、ホームでボルシア・メンヒェングラートバッハとの対戦。HSVのフォーメーションは前節と同じ4-1-4-1で、酒井は右SB、伊藤は左SHの位置で先発。対するボルシアMGは4-4-2の形。

試合はホームのHSVが押し気味に試合を進め、それでもなかなか決定的なチャンスまで行かないなと思っていたら、前半9分にホルトビーのシュートをボルシアMGのザカリアが腕に当ててしまい、いったんは判定を流されたものの、その後にVARでPKと判定され、これをハントがゴールに蹴り込みHSVが先制点をゲットする。

その後はボルシアMGがボールを支配、HSVはカウンターを狙う形になって伊藤がサイドからドリブルを仕掛ける場面を何度か作るが、クロスなどラストプレイが味方と合わず、追加点のチャンスを生み出せない。すると前半27分にコスティッチのファールをもらいに行ったプレイが流され、いつものように(笑)酒井が上がったスペースを突かれ、そんままドルミッチにカットインからシュートを決められ同点に。

監督の指示なのか試合の流れからかは不明だが、前半35分頃から伊藤はコスティッチと左右を入れ替え右SHに入り、43分にはカウンターから右サイドでボールを受け、そこからPA内まで鋭いドリブルで入り込むも最後はギリギリ相手にクリアされてシュートならず。そして前半を同点のまま終了する。

後半4分には、左サイドでボールを受けた伊藤がカットインからシュート、ボールは相手に当たってコースが変わりGKゾマーにギリギリセーブされる。そのすぐ後にも右からのクロスに伊藤が飛び込み、シュートまでは行けなかったが体に当てた場面を作ると、9分にも伊藤がサイドをえぐってからコスティッチと、伊藤の積極性が目立つ後半戦。

さらに後半13分に、CKから右サイドに流れたボールをフリーのコスティッチが拾い、GKとの1対1になったがゾマーがまたファインセーブでHSVの得点を許さない。逆に15分、HSVはゴール前で完全に崩され、最後はラファエルのクロスにベントが合わせるも、ゴール前にいた酒井が腕を畳んだ肘に当たって難を逃れる。

そして後半17分、相手のクリアを拾ってから左サイドに張っていた伊藤にボールが回り、そこからホルトビーへ折り返したクロスをダイレクトでコースに決めてHSVが2-1でリードする。が、ちょうど同じ時間に裏の試合でヴォルフスブルクがケルンからリードを奪い、この時点でHSVが降格圏に。

24分にもカウンターからコスティッチにグラウンダーのクロスが行くもタイミングが合わず。さらにその直後、ウッドがクラマーに対するファールで2枚目のイエロー、HSVが10人になってしまう大ピンチ。

それから試合は動かず、逆にヴォルフスブルクがケルンに2点をリードした状態で入ったロスタイム、HSVのゴール裏から発煙筒が投げ込まれ試合は中断。騎馬隊まで出る騒ぎになったが、それで何かが変わるはずもなく16分が経った後に再開したがすぐにタイムアップ。HSVが2-1で勝利をしたがクラブ史上初めての2部降格となった。

試合後、挨拶に行った選手たちにはサポーターから暖かい声援が送られ、酒井や伊藤の目には涙。来期は既に酒井はチームに残留する事を明言しているが、伊藤には1部からオファーが来るかもしれない。が、今はベンチでくすぶるよりもレギュラーで出続けて経験を積むことが大事であり、ティッツ監督も続投を表明しているので、個人的にはHSVに残ったほうが良いと思う。

まあ、伊藤の場合はこのインタビューを見ても若干二十歳とは思えないほど受け答えがしっかりしているので、どんな進路を取っても心配は無さそうだけどね。ロシアW杯は乾や宇佐美、中島を差し置いての選出は難しいと思うが、東京五輪では間違いなくエースに据えられるべき選手だと思うので、このまま順調に育って欲しいね。