「ハンドもオフサイドもダフリも全てはねのけ、酒井がベスト4を決定づけるバースデーダメ押しゴール」UEFAヨーロッパリーグ準々決勝 第2レグ マルセイユ-ライプツィヒ

ライプツィヒのホームで行われた第1戦は、1-0でライプツィヒが勝利して折り返したマルセイユホームでの、ヨーロッパリーグ準々決勝の第2戦。

マルセイユは第1戦に引き続き3-4-2-1の形で、3バックの並びはケイタ、ルイス・グスタヴォ、酒井と同じメンバーで、1トップがミトログル、2シャドーがパイェとトヴァンという並び。対するライプツィヒは4-4-2のフォーメーション。

いきなり試合開始2分で、ワンツーで右サイドを抜け出したケイタから、最後はこぼれ球をパンニャに押し込まれてライプツィヒに先制点を奪われてしまう。が、マルセイユはその5分後にCKにミトログルが合わせたシュートは、ライプツィヒGKグラシが反応するも、イルサンカーに当たってしまってオウンゴール。その3分後には、トヴァンが中で繋いでパイェに展開、大きなサイドチェンジにサンソンがこぼれ球を2度シュートするがいずれも決まらず、頭を抱えた後ろから走り込んだサールが決めて、あっという間にマルセイユが逆転する。

大声援で盛り上がるホームのヴェロドロームの観客をバックに、さらにライプツィヒを攻め立てるマルセイユは、16分にパイェが見事なミドルシュートを決めたかに見えたが、その前にミトログルが相手を引き倒していたという判定でノーゴール。ライプツィヒはこのあたりからフォーメーションを3-1-4-2に変更、序盤にやられまくったサイドを同数にして試合を落ち着かせにかかる。

しかし前半29分に、右WBで先発していたサールが肩の脱臼で離脱、CBにはラミが入って酒井は本職の右WBに復帰する。このアクシデントもあって試合が落ち着き、このまま前半を終わりそうな流れになった38分、右30mほどの地点でマルセイユがFKを獲得すると、パイェのキックにトヴァンが相手DFの前に入ってゴール前に飛び込み、右足で合わせて今度こそマルセイユがアグリゲートスコアで逆転する。

後半立ち上がりにも、マルセイユは連続でシュートするもグラシに防がれ、7分にはミトログルが抜け出しシュートも枠外と、追加点をなかなか決められない。すると9分に酒井が上がってボールを奪われた裏を突かれ、ケイタの巧みなドリブルからヒールで流したボールを走り込んだオーギュスタンが押し込みライプツィヒが再びリード。

このピンチを救ったのは、この日キレキレのパイェだった。後半15分に、右サイドからワンツーでボールを受けると、またぎフェイントで相手のDFを置き去りにし、最後は右足アウトサイドで巻いて落とす技ありシュートを決めてまたまたマルセイユが逆転する。

その後は5バックで守るマルセイユと攻めるライプツィヒとの戦いが続き、酒井はデュエルの強さを存分に発揮して相手の攻撃をことごとく止め、そこから前に出る意欲を見せて気合十分。そして後半ロスタイム、ポールセンのシュートが酒井に当たってコースが変わったがプレが股でギリギリセーブ、その直後のライプツィヒCKからのカウンターで、最後はGKが上がってがら空きのゴールに流し込んだのが酒井だった。

とは言え、CKをカットしたサンソンの手ボールが当たっていたし、酒井は緊張したのかシュートは足にきっちり当たらずダフっていたし、実際はライプツィヒのゴールから2人目の選手よりも酒井は前でボールを受けたので、ルール上はオフサイドだったのだが、まあゴールはゴール(笑)。これで完全に勝負有り、マルセイユが南野要するザルツブルグとの準決勝へと駒を進めた。

酒井は試合を通じて自信とエネルギーに満ち溢れ、MOMはさすがにパイェだろうが、チーム2番手の評価は固い盤石のプレイぶり。デュエルで戦うことを放棄してしまった日本代表だが、チームで唯一、世界レベルの対人能力を持った選手である事は間違いない。ここまで来たら、小野以来の優勝を狙ってほしいね。