「ベティスへの移籍問題とエースの復帰で、ピッチでも少し微妙な立場になった乾」リーガ・エスパニョーラ 第30節 エイバル-レアル・ソシエダ

ここ3試合は未勝利で、リーグ戦の順位も10位と失速しつつあるエイバル。前節はベティスへの移籍問題が影響して(?)ベンチスタートになっていた乾だが、ソシエダ戦は定位置である4-4-2フォーメーションの左SHとして先発した。

レアル・ソシエダのエイバル対策は明確で、4-2-3-1のDF4人がエイバルの攻撃的選手4枚にほぼマンマークを付けて来た。乾には主に右SBのエルストンドがマークに付き、それを嫌って乾が中に入り、FWの1枚がサイドに流れてボールを受けるという工夫はしていたが、相手のマークを剥がし切るところまでには至らない。そしてたまにサイドまでボールが渡っても、ソシエダはSBだけでなくSHやボランチまで参加して3人で対応、エイバルが得意とするサイドでの組み立てが封じ込められる。

エイバルはようやく前半30分頃から、SBがオーバーラップしてクロスの場面を作り始めるのだが、高さでは上回るレアル・ソシエダは中をきっちり固めてシュートを許さない。しかしシュートはGKモヤが片手で弾いたものの、前半35分にペドロ・レオンのラストパスを受けて切り返したジョルダンの決定機からエイバルのペースになり、41分には乾がサイドでフリーになった場面はクロスまで行けず、43分にレオンが左サイドで抜け出すも、グラウンダーのクロスに誰も追いつけずと、ソシエダを追い詰めるもゴールには至らず。

後半からはソシエダが高い位置からプレスを仕掛け、14分には右サイドからの折返しからホセがフリーで合わせるがバーの上に行くなど、15分間で5本のシュートを浴びせられる。この試合の主審はフィジカルコンタクトに甘く、体格で劣るエイバルの選手はファールを受けたアピールをしてもなかなか笛を吹いてもらえず、嫌なムードが漂い始める。

が、後半25分ぐらいからはまたエイバルにモメンタムが移り、後半27分には乾が左サイドでボールを受けてドリブルからクロスも味方に合わず、その流れで右からのクロスに乾が角度のないところからヘディングするも、ファーへボールが流れてしまい得点ならず。
乾は78分にオレジャナと交代、しかしその後もそれほどの決定機は作れず試合終了。

これまでエイバルは乾にボールを預けてから攻撃が始まっていたが、この試合では元エースのペドロ・レオンが復帰して右サイドにボールが集まり、乾自体のボールタッチはいつもより少なかった。しかし乾自身はボールを持ちさえすれば効果的なプレイが出来ていたので、もっと左右のバランスが良くなればいいのにと思ったが、移籍問題を抱えているのでチームの優先度としては微妙なところなのかもしれない。