「負けはしたけど、”日本の底を感じた”という意味を活かせれば価値はある」国際親善試合 日本-ウクライナ

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マリ戦でイマイチな試合をした後だったので、ウクライナ戦では勝利が得られたらと思ったんだけど、さすがに欧州予選でクロアチアと2位を最後まで争っただけあって、ウクライナはマリよりもはるかに強くて負けは仕方が無かったね。

ウクライナのフォーメーションは4-1-4-1で、日本は1トップが杉本、2列目が原口、柴崎、本田、ボランチが長谷部と山口、DFが長友、槙野、植田、酒井高徳、GKが川島の4-2-3-1。

日本がこの形にしたのは、ウクライナの中盤3人に対してマッチアップさせる意味合いがあったのだと思うが、ウクライナはインサイドハーフが降りてビルドアップに参加、そこから高い位置に上がったSBに対するサイドチェンジ、サイドで基点を作ってインサイドハーフが今度は前に出て攻撃参加という流れに日本が対応できず、序盤から劣勢を強いられる展開。

ウクライナはシャフタール・ドネツクのDFがラインをそのまま使っているだけあってビルドアップが極めてスムーズなのに対し、日本はそもそもJリーグでは高速ビルドアップなんて見ることもないし、その能力をある程度持っている吉田がおらず、長友のサイドはマーク付き原口のみではいかんともしがたい。

しかも日本は右SBの酒井が不用意に上がってコノプリャンカに再三裏を取られ、本田が戻って守備をする始末で、CBの植田と槙野、ボランチの長谷部と山口が揃いも揃って、ボールを奪われても切り換えが素早いウクライナのゲーゲンプレスにミスを連発、何度も危ない場面を作られてしまう。

それは日本の攻撃陣のポジショニングにも問題があり、ウイングの原口と本田は厳しく相手のSBにマークされ、杉本は真ん中で張っているだけでサイドや中盤に流れてボールを引き出す動きが無く、柴崎はボールを受けさえすれば1対1での対処は森岡よりも上だが、いかんせんそういう場面が少なすぎる。

前半16分に右からのクロスを酒井高徳があわやオウンゴールの場面を作った4分後に、今度は左サイドで作られて最後はラキツキーのシュートが植田の頭に当たってオウンゴールでウクライナが先制点、その後も日本はチャンスを作れずこれは後半どうするかなと思っていたら、柴崎のFKに槙野がたまたまフリーになって日本が同点ゴール。

後半も日本は前からプレスをかける前線と、カウンターに備えて相手の攻撃陣にラインを合わせる守備陣との乖離が目立ち、ビハインドだがウクライナにボールを回される情けない展開。足を痛めた杉本に代えて小林が入るも、やはり相変わらず前線で基点が作れない日本。すると後半23分に、またまた酒井高徳がコノプリャンカに突破され、山口のスライディングも間に合わずに最後はカラファエフに蹴り込まれてウクライナがリード。

日本は後半34分に柴崎に代えて中島を投入、これで日本はやっとこさDFラインが吹っ切れたかのように高くなり、それまでメタメタだった酒井高徳にも判断力と積極性が生まれ、欧州遠征で始めて相手を防戦一方にさせる展開に持ち込むが、久保が右サイドでフリーになったシュートはミートせず、ロスタイムに中島自身が奪ったゴール前のFKもGKに防がれ久保がこぼれ球を押し込めず、そのまま1-2で試合終了。欧州遠征は1分け1敗という結果で終えることになった。

まあずっと言い続けている事なんだけど、結局は経験不足。ウクライナ戦の終盤になって、やっとこさ日本が本来目指すべき「攻撃的な守備」が出来るようになったものの、本番では90+70分が経過してからではあまりに遅すぎる。これでW杯本大会のメンバーを先行する上での材料はほぼ出揃ったので、最後に連携を固めるしか無いところか。

しかし逆説的に言えば、この2試合のメンバー選考優先、戦術的な指示は最小限というハンデの中で、日本はおそらくこれ以上に悪くなりようがないという”底”を打った試合とも言えるわけだけどね(笑)。

では当落線上の選手に対する採点を添えて、この試合については終わり。

杉本 5
1トップで前線に張っているだけ、たまにポストプレイという存在感の薄さでは本大会のメンバーとしてはあまりにも厳しい。しかし小林悠も似たり寄ったりなので、本田の起用を考えてほしいのだが。

小林悠 5
後半から投入されて原口や本田のサポートは意識していたと思うが、ほとんど良い形で中盤からボールをもらえず、大迫の牙城を破るにはほど遠い出来。大迫の代わりはいったいどうするんだろうね。

本田 5.5
ボールキープ力はさすがで守備も忠実にこなす。しかし左足しか使えない事、スピードとコンビネーション面で問題を抱えているのは事実で、ウイングよりも1トップなら本大会で使いみちがあると思うんだけど、ハリルホジッチはあくまで右なんかなあ。

柴崎 5.5
ボールを受けさえすれば森岡よりも対人スキルがある事を証明したが、守備では対人能力やポジショニングで後手を踏む場面が目立ち、日本が苦戦を強いられる要因の1つになってしまった。大島も含めて攻撃のカンフル剤として欲しい存在ではあるのだが。

久保 5.5
マリ戦に続いて決定的なチャンスで決められず。クラブでも今期については決定力に安定感を欠く出来だが、右の人材不足を考えると選出の可能性は高いか。どのみちもっと調子を上げてほしい。

中島 6
エゴイスティックに思えるシーンはあったが、今の日本にはそういう姿勢を持った選手が必要ではないか。この試合で起用されたトップ下よりはサイドで活きる選手なので、原口や久保、乾、本田らとのメンバー争いは紙一重である。

酒井高徳 4.5
ウクライナの2点目まではメタメタで、これをW杯に呼んだらいかんだろうと思ったのが、終盤には盛り返して日本の猛攻を担う存在に。ずっとドイツの残留争いでくすぶっているが、ある程度高いレベルに適応できるポテンシャルはあるのかもしれない。

山口蛍 5
本来期待された能力からすると程遠い出来。判断が遅くミスパスを連発、守備のカバーリングもらしくない軽率さを見せて失点に絡む。メンバーには選ばれるだろうが、本来の能力からするともっとやってもらわないと困る選手。

植田 5.5
高さではウクライナに抵抗できていたが、あまりに軽率なパスミスを連発の空回り。経験を積めば高いレベルに行けるかもしれないが、もうW杯まで時間は無い。今回はどうなるか。

三竿 5.5
特に何かが飛び抜けた選手では無いが、淡々と自分の能力を落ち着いて発揮出来る選手であり、長谷部の代役として生き残れる可能性は高いのではないだろうか。

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2018/03/28 | 日本代表

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