「モデスト時代の役割に戻った大迫、新システムの賭けに乗って奇跡の残留なるか」ドイツ・ブンデスリーガ第27節 ケルン-バイヤー・レバークーゼン

3月のAマッチウィークに入る最後の試合、現在自動降格圏内に沈んでいるケルンは、リーグ4位と好調のレバークーゼン相手に是非とも勝って終わりたい試合だったが、見事に大迫の決勝点で勝利を収め、ハンブルガーSVを抜いて実に第4節から続いていた最下位を脱出した。

ケルンの先発は、これまで大迫と共に出場していたテロッデ、ピサーロではなく、ツォラーが大迫と2トップを組み、4バックではなくて3-1-4-2のフォーメーションにして来たのだが、この策が上手く嵌った。

レバークーゼンの4-2-3-1に対し、守備時にはアンカーのヘーガーが下がって4-4-2の形でゾーンを作り、攻撃に転じると3バックになってサイドが高く上がり、バイタルに下がったポジションで大迫が基点を作ってから、左サイドに張ったビッテンコートがドリブルからクロスという形が機能し、序盤からホームのケルンがペースを握る。

すると前半3分、そのビッテンコートが左サイドのタッチライン際をドリブルで突破、マイナスのクロスに中へ切れ込んだ大迫がアウトサイドでトラップ、振り向きざまに放ったシュートがレバークーゼンGKレノの脇を抜けるゴールとなってケルンが幸先よく先制点をゲットする。

その後はレバークーゼンがボールをキープしてサイドからケルンを攻め立てるが、ケルンも鋭い出足でセカンドボール争いで上回り、大迫も巧みなボールキープで味方が押し上げる時間を作るなど互角の時間帯が続いたのだが、25分頃からケルンの勢いが落ちて防戦一方となり、これはちょっと危ないなと思われた33分、ケルンCBのマロウに抱え込まれたアラリオが肘打ちを見舞ってしまい、ビデオ判定の結果一発退場になってしまう。

これで息を吹き返して前半を無失点で終えたケルンだったが、後半になるとレバークーゼンはビッテンコートにやられまくっていた右SBを交代させ、1人少ないのを物ともせず積極的にプレスを仕掛け、後半2分にはケルンのビルドアップのミスから5対3の場面を作られ最後はフリーでブラントがシュート、その直後にも中盤でボールを奪われてゴール前でファール、FKは壁に当たって命拾いという危うい展開が続く。

ケルンはレバークーゼンの猛攻に対して5バックのような形になってラインを上げられず、相手が攻めて来る分カウンターのチャンスもあるのだが、どうも各選手が強引なプレイをしがちで、大迫の判断も迷いがあってどうにもラストプレイが合わず得点チャンスが作れない。

が、この試合のケルンは幸運の女神が付いているようで、後半24分に大迫が競った後のボールをアランギスがバックパス、これを狙っていたツォラーが拾ってリフティングでGKを交わし、最後は無人のゴールに膝で押し込みケルンがラッキーな追加点。これでレバークーゼンの勢いがまた落ちてしまう。その後は互いにチャンスを作ったがスコアは動かず2-0で試合終了。

大迫については、モデスト時代を思わせる2トップでの基点役として、ボールキープやポストプレイは素晴らしく安定してたが、得点の後は ちょっと余裕がありすぎて思い切りの悪いプレーが多かった印象。しかし2試合連続ゴールというのは結果としては申し分ない。この調子の良さを是非とも代表戦で思う存分発揮してもらいたいね。