「宇佐美にポジションを奪われたライバルの逆襲が始まった」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第27節 フォルトゥナ・デュッセルドルフ-アルミニア・ビーレフェルト

現在ブンデスリーガ2部の首位を快走しているデュッセルドルフ。今節はホームに5位のアルミニア・ビーレフェルトを迎えての対戦。現在4試合連続ゴール中の宇佐美は、当然原口とともに4-2-3-1の左右ウイングとして先発。

対するビーレフェルトは4-1-4-1のフォーメーションで、守備時はアンカーのシュルツが下って5バックとなる形で、デュッセルドルフは序盤からポゼッションでは上回るものの、なかなかサイドを崩せず攻めあぐねる展開。

宇佐美はウイングと言うよりはほとんどトップ下の位置で、サイドには右SBのシャウエルテが張った3-2-4-1のような形になり、数的優位を作った右サイドにボールが集まるのだが、相手も宇佐美のいるサイドを警戒してスペースを与えてくれない。

逆に前半25分、ビーレフェルトのFKでサイドから飛び込んで来たベルナーが、パンチングに行こうとしたデュッセルドルフGKヴォルフよりも先に触ってゴールが決まり、アウェイのビーレフェルトが先制点をゲットする、

デュッセルドルフはボールを保持しながらも前半30分までシュートを打てていなかったが、ようやく31分にフィンクが相手のパスを高い位置でカット、パスを受けたヘニングスがきっちり決めて同点。前半ロスタイムには原口のFKから宇佐美がシュートするも、相手に当たってCKという惜しい場面を作る。

しかし後半5分、ビーレフェルトはPAやや左の位置からシュッツがFK、コースはやや甘かったがヴォルフが逆を取られてまたデュッセルドルフはリードを許してしまうと、そこからはビーレフェルトの時間帯になり、サイドが押し込まれて宇佐美も守備に追われる苦しい展開に。

ここでやっと日本人コンビがゴールに絡む。後半12分に宇佐美のCKがファーに流れ、こぼれ球を原口がダイレクトでシュート、これがヘニングスに当たってコースが変わり、ビーレフェルトGKフォクルザマーが弾いたところをゾボトゥカが押し込んで逆転。その直後に宇佐美はラマンと交代。

そこからは完全にデュッセルドルフが勢いに乗り、後半23分にはギーセルマンのCKからボドツェクが頭で合わせて4点目をゲットすると、25分にはロングパスを頭でフリックしたボールを受けてヘニングスが独走、最後はラマンに譲って5点目で勝負あり。宇佐美が残っていれば彼の得点になっていたかもね(笑)。

その宇佐美にポジションを奪われた格好になったラマンだが、やはりシュートの能力は劣るもののポジショニングや攻守の切り換え自体は宇佐美よりも上で、彼と原口が両ウイングになると攻撃がワイドと中をバランスよく使う状態になって一気にスムーズになるのは確かだ。

この試合は、相手が宇佐美の股抜きを警戒して早めにコースを消しに来ていて、あまりドリブルで前に運ぶ機会が無くて横パスで逃げる場面が多かった。ここを、原口のように周りの状況を読んで相手がボールを取れない場所にトラップ、2タッチ目のドリブルで抜くスキルを覚えていかないと、今のようにボールを受けてから考えているプレイでは、ラマンにスタメンを奪われるのも時間の問題である。原口という良い先生がいる間に、先を読む能力を身に付けて欲しい。