「原口の献身的な介護が生み出した、宇佐美の貴重な決勝ゴール」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第

昨日は夜の8時半からちょうどデュッセルドルフの試合がLiveであり、今節も宇佐美と原口が揃って先発だったのでDAZNで観戦。

デュイスブルクとデュッセルドルフの間が路面電車でむ結ばれているところから、「Straßenbahn-Derby」と名付けられたダービーマッチ。デュッセルドルフは前節に引き続いて、原口と宇佐美が左右のSHの位置した4-2-3-1のフォーメーションで望んだ。

デュッセルドルフはホームの試合だが、首位のデュッセルドルフとは勝ち点で7離れた4位とあって序盤から守備的な4-4-2できっちり守り、デュッセルドルフはボールを保持しながらも守備の穴を見つけられずに後ろのほうでボールを回すだけの展開になる。

そんな中でも、原口だけは攻撃の形を作り続け、前半10分に相手ゾーンの間でパスを受けてドリブルからクロスでCKをゲットすると、宇佐美のCKから味方にボールが渡るがシュートまで持って行けず、32分には原口のカットインシュートをGKがファンブルするも、詰めていたゾボトゥカは押し込めず。

それでも前半40分、カウンターから宇佐美がヒールで原口に出したパスは上手く通らなかったが、そこからのこぼれ球を拾ったヘニングスが豪快にゴールへとシュートを突き刺しデュッセルドルフが先制点をゲットする。

後半の立ち上がりは、前半にも増して宇佐美がトップ下の位置に入って右SBのシャウエルテが宇佐美と並ぶ位置まで上がり、原口が左サイドに張った3-4-3のような形に変更、後半9分にはPA前でボールを持った原口から開いた宇佐美にパス、そこからグラウンダーのクロスはミスになるなど、原口は宇佐美を見てくれているんだけど、今日の宇佐美はあまり仕事が出来ない。

さらに後半18分には、カウンターから原口が左サイドを突破、右で宇佐美がフリーだったけど折返しのパスはヘニングスに渡って結局クロスバー。後半24分にはならば自分でと原口がカットインからシュートも上手くヒットせず、逆に後半27分にはオニェクルにゴール直前でオーバーヘットを浴びるなど、一進一退の攻防が続く。

原口は後半39分に交代するも宇佐美のそのまま残ってプレイ、宇佐美は攻撃でダメな分、相手SBのオーバーラップにもしつこく食らいついて今日の宇佐美は守備の人だなと思っていた後半43分、右サイドのスローインから折り返したボールが宇佐美に渡り、冷静にGKの股を抜くシュートを決めてデュッセルドルフが2点目をゲットする。

しかしデュイスブルクもその直後にFKから得点を決めて1点差に追いつき、宇佐美も下げたデュッセルドルフに対してパワープレイで攻め立てるものの、体を張って防ぐデュッセルドルフから最後まで得点を奪えず0-1で試合終了。デュッセルドルフにとっては非常に大きいアウェイでの勝ち点3になった。

宇佐美は決勝ゴールを決めたし、守備で最後まで手を抜かず走りきって、監督からもフル出場という形で強い信頼を得ていたのは確かだが、戦況を読んだポジショニングや動き出しという点ではまだまだで、この試合に限っては原口の貢献度の方が大きかった。

インサイドでボールを待つ事が多かった宇佐美に比べ、原口はワイドに張ったりFWの足元に居たりと試合の流れを読んで流動的にポジションを変え、ボールを受けたらすぐさま反転、縦の推進力に繋げるなどチャンスメイクという点ではデュッセルドルフの中でも図抜けていた。しかもボールを持ったら宇佐美を必ず見ていてパスを配給、その献身的な介護ぶりには目頭を押さえたくなったほどだ(笑)。

宇佐美も原口も、互いに相手から刺激を受けて切磋琢磨しているという意味ではとても良い流れになっているのではないかと思う。シーズン終了まであと8試合、これからどこまで2人で積み上げを見せていけるのか、W杯メンバーを占う上で本当に楽しみである。