「電光石火のヘディングゴールで森岡が勝利をもたらすも、個人・チームともに課題は残る」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ第29節 ズルテ・ワレヘム-アンデルレヒト
- 2018.03.06
- ベルギー・ジュピラー・プロリーグ
前節のムスクロン戦では、チームとしては6試合ぶりの勝利を森岡の2ゴールで飾ったアンデルレヒト。しかし後半16分までに4-0のリードを得たにも関わらず、途中1点差まで追い上げられてしまった悪癖を、このズルテ・ワレヘム戦でも見せてしまった。
アンデルレヒトは前節と同じメンバーだが、アウェイというのもあってか4-2-3-1というよりは4-4-1-1のようにサイドが若干下がり目で、森岡はテオドルチクと並んで2トップのシャドー気味な位置づけでプレイ。
当然、トップ下よりもゴールに近い位置でのプレイが求められるわけで、早速前半3分に相手ゴール前でポジションを取ると、右サイドでフリーになったアッピアーからのクロスに上手くフリーで薄くコースを変えてゴールに流し込み、森岡の2試合連続ゴールでアンデルレヒトが先制する。
ホームのズルテ・ワレヘムは先制点にもめげずすぐさま反撃、3-4-3のフォーメーションで高い位置からマンマークを仕掛け、ボールを奪うとイセカ、ボンゴンダ、オラインカのアフリカ系高速3トップを縦に走らせるショートカウンターで、一気にアンデルレヒトゴールへ迫って来る。
しかしマンマークの3バックはマークがずれると脆弱になるのが欠点で、前半12分にアンデルレヒトは中盤の攻撃参加で相手のDFがマークを外したスキにテオドルチクが飛び出し、スルーパスをきっちりゴールに流し込んでアンデルレヒトが2点目をゲットする。
これで試合は落ち着くかと思ったのだが、やはり前節で3点を取られた守備は辛抱が出来ず、アンデルレヒトは前線と最終ラインの間が間延びして中盤にスペースが生まれ、アンデルレヒトはボールを保持するのだけどパスが長くなってミスになる場面が増えてしまう。森岡も中盤に下がってマークを受けない位置でフリーになってカウンターを狙いに行っているのだが、前に人が来ないので得意のスルーパスもなかなか出せず、ドリブルで溜めて結局横パスという形で終わってしまう。
そして前半28分に、FKから振り向きざまのシュートはアンデルレヒトGKセルスがファインセーブで何とか防いだものの、その後のCKからポドリーに押し込まれて1点差になるが、3分後にアンデルレヒトは相手のボールを高い位置で奪い、オフサイド崩れから抜けたテオドルチクが冷静にGKを交わして3点目と相変わらずの展開。
後半になると、アンデルレヒトの布陣は前半よりもコンパクトになって守備は前半ほどのバタバタ感は無くなったが、今度はテオドルチクと森岡の2トップが相手のハイラインに抑え込まれて前線で基点になれず、前半は何度か繰り出していたカウンターの形が作れなくなり、試合は膠着状態に。
そして後半30分頃からアンデルレヒトは逃げ切りを意識し始め、34分に森岡を下げてアムスを投入したのはいいのだが、そこからズルテ・ワレヘムのパワープレイに圧倒され、ゴール前で跳ね返せずひたすらセカンドボールを拾われては放り込まれ、PA内で混戦になってボールを蹴り合うという危険な場面の連続。
後半37分に連続攻撃から押し込まれたゴールはオフサイドになって助かったが、その直後にロングボールを跳ね返したボールをクリアミス、起き上がったシャポニッチにボールを拾われてズルテ・ワレヘムがまた1点差。さらに45分には右サイドからのクロスにオラインカが完全にどフリー、しかしシュートを当てそこねてファーに流してしまいアンデルレヒトは命拾い。そして何とか3-2で逃げ切り勝利に成功した。
森岡は先制点となったゴール以外ではあまり目立てず。やはり今の森岡では前にパスコースがない下がり目2トップでは自分のプレイがなかなか出来ない。後半7分に相手3人に囲まれながらもヒールパスで打開しようとしたプレイは面白かったが、本来であればそうなる前にキラーパスやシュートをしないといけないはずだ。ロシアW杯のメンバーに選ばれるにはそこを乗り越えて行かないとね。
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