「一見するとミシャサッカーと変わらない”5レーン戦術”、横浜Fマリノスの根本的な違いとは?」J1第1節 セレッソ大阪-横浜Fマリノス

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アジア最終予選でオーストラリア代表を率い、日本のグループで3位に終わりながらも北中米カリブ海との大陸間プレーオフを突破し、見事ロシアW杯に出場を決めたにも関わらず、その直後に電撃辞任をしてしまったポステコグルー監督。

その彼が横浜Fマリノスの新監督として就任し、しかも大株主であるシティ・フットボール・グループの意向によって、マンチェスター・シティでグアルディオラ監督が実践し、プレミアリーグを席巻している「5レーン理論」を導入したという、戦術好きにとっては聞き捨てならない話を聞いたので、ほぼ1週間前の試合ではあるがセレッソとの開幕戦を見てみた。

その5レーン理論だが、端的に言えばピッチを縦5つに分割し、それぞれのレーンに選手が互い違いになるようなポジションを取る事で、常にトライアングルのパスコースを作り局面で数的優位を保つというもので、主に4-4-2のゾーン・ディフェンスに対する効果的な手段として知られている戦術である。

実際、フォーメーションの表示的には4-3-3だが、攻撃時にはウイングの遠藤とユン・イルロクがワイドに張った高い位置でフリーになり、ニアゾーンにはインサイドハーフの中町と天野が入り込み、アンカーの両脇にSBが上がるという2-3-4-1に変化する横浜の攻撃に対し、セレッソは全く準備ができていなかった。

現在はある程度5レーン戦術に対する対抗策は進んでいて、具体的には4-4-2から4-2-3-1へとシフトし、中盤の3人がマッチアップする形で中盤のパスワークを殺し、ウイングにはSHが下がってマークする事でパスの受け手を封殺してビルドアップを阻害、ボールを奪ったら2人のCBの両脇へと選手を走らせる形が定石である。

が、セレッソはDFライン裏への攻撃は狙っていたものの、中盤は横浜のインサイドハーフとアンカーの3人に対して、セレッソは山口と山村のダブルボランチが見る形になってしまい、福満と水沼の両SHも横浜のSBがボランチに上がって来るためそちらを見ざるを得ず、横浜のパスワークに対して為す術が無かった。

前半17分に左SBの山中がミドルシュートを決めて横浜が先制したが、まさに右の遠藤で基点を作ってセレッソのゾーンを下げさせ、それで出来た中盤のスペースに山中が上がって入り込み、コースも良かったがフリーな形でシュートを打たせた格好で、5レーン戦術の狙いが見事にハマったゴールだったと言える。

とは言え、個人的な能力としてはセレッソのほうが上で、前半早々にあった柿谷のシュートがオフサイドと誤審されていなかったら、横浜は攻撃でもっと苦しむ展開になっていただろうし、失点直後のGKに当たった山口のシュート、前半終了間際にバックパスを拾った柿谷のシュートと、決定機の数ではほぼ互角の試合だった。

そして後半になると、セレッソも2トップがサイドに流れて横浜のCB脇のスペースを使うようになり、横浜も徐々に出足が鈍くなってラインが下がり、後半30分を過ぎると完全にセレッソのペースへと変化、それでも横浜はゴール前で体を張って何とか失点を防いでいたのだが、41分に中澤のクリアミスを拾った柿谷に同点ゴールを決められ、試合は1-1のドローで終了した。

ただ、この「5レーン理論」は特別画期的なものというわけでもなく、攻撃面では既に浦和でミシャ監督が見せていた3バック5トップ戦術と考え方は同じである。ただ、ミシャサッカーが守備のことをほとんど考えていなかったのとは違い、5レーンは「ポジショナルプレー」の思想に沿った、攻撃から守備に切り替わった時に、ボールを奪い返すためのポジショニングを重視しているところが大きく異なる点である。

この試合でもセレッソのカウンターがあまり決まらなかったのは、セレッソのボランチに対して横浜のインサイドハーフがマークし、SBに対してはウイングが見てビ素早いルドアップを防いでいた。セレッソはボランチの1枚を下げて3バックにし、SBを高くしてウイングを下げていればもっとビルドアップが出来たと思うが、もとからユン監督はそういう形を取らないので、余計に苦しむ事になっていた。

ともかく、今期の横浜Fマリノスは、戦術好きとしては是非とも注目していきたいチームである事は確かだね。

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2018/03/02 | Jリーグ

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