「1G1Aと結果を出した宇佐美は、練習に注文をつける監督の期待に応えられたのか?」ドイツ・ブンデスリーガ2部 第24節 レーゲンスブルク-フォルトゥナ・デュッセルドルフ

第21節のザントハウゼン戦で頭部を強打し、脳震盪を起こした原口が不在になってから勝利がまだ無いデュッセルドルフ。先週のレーゲンスブルク戦では5試合ぶりに宇佐美が先発し、今期4得点目となるゴールを決めたがチームは何と3-0から逆転負け、まだ自動昇格の2位は確保しているが怪しい空気が漂って来た。

デュッセルドルフのフォーメーションは4-2-3-1で、1トップがヘニングス、2列目は左からラマン、フィンク、宇佐美という並び。対するレーゲンスブルクは4-4-2というマッチアップ。

試合はいきなり前半3分に、ヘニングスが自らのポストからリターンを受け、そのままPAに持ち込みゴールを決めてデュッセルドルフが先制する。宇佐美はその場面では右で完全にフリーだったがパスは来ず、その後のシーンも味方と並走しながらボールをもらえず、まだチームメイトから信頼された様子では無いなと思っていたが、12分に相手のクリアミスを拾った宇佐美が浮いたクロス、これがファーにいたラマンにピタリとあってアシストを決める。

さらに前半14分、カウンターから一発のロングボールで宇佐美が抜け出し、浮かせたトラップでDFを抜き去ると、レーゲンスブルクのGKペントケが飛び出して空いたゴールに、宇佐美がループ気味の美しいシュートを決めてデュッセルドルフが点差を3つに広げる。

これで安心してしまったのかデュッセルドルフは急に試合のペースを落とし、宇佐美も消える時間帯が多くなってしまうが、30分にまたもカウンターから宇佐美が抜け出しペントケとの1対1で股下を抜くシュートを狙ったが、これは足に当たってゴールならず。結果論ではあるが、この絶好機を逃してしまったことが大きく響くことになった。

レーゲンスブルクは前半37分にCKからの混戦でグリュットナーが押し込み1点を返すと、40分には右サイドで基点を作られ、最後は折り返しをフリーになっていたニートフェルトが振り向きざまにゴールを決めてあっという間に1点差。その直後にあったデュッセルドルフの決定機ではラマンが決められず、これで完全に試合は分からなくなってしまった。

そして後半14分に、PA内に侵入したニートフェルトをボドツェクが倒してしまいレーゲンスブルクにPK、さらに20分にはFKからアダミアンが胸トラップからデュッセルドルフのDFを振り切って逆転ゴール。その後はレーゲンスブルクが自陣で守備固めをし、最後はデュッセルドルフがパワープレイを仕掛けるも最後まで得点は奪えず、試合は4-3でレーゲンスブルクが3点差をひっくり返す大逆転勝利を決めた。

宇佐美については、監督から練習でもっとアピールして欲しいとの要求を受けていて、先発に復帰したという事は何らかの改善があったのかなと期待したのだが、1G1Aという結果こそ出たものの、前から宇佐美に感じている課題については残念ながら大きな進歩は無かったというのが正直なところ。

ほとんどの状況で、歩いているかMaxから6割程度のジョギングに見えるスピードで走っていて、守備では確実にボールを奪える、攻撃では前に相手がいなくてフリーという”美味しい”場面でだけ全力ダッシュしているように見えるし、味方の攻撃が止められた、相手のボールを奪った、というところで一旦足を止め、思考をリセットしてから動き直しているように見える。

メッシほどの選手なら許されるプレイスタイルだが、残念ながら宇佐美はそうではないしね・・・練習でもこういう感じでは監督が物足りないと思うのも仕方ないところだろう。才能に関しては天下一品なのだから、考え方を変えれば一皮むけるだろうと、ハリルホジッチを筆頭に期待を捨てきれない監督は多いんだろうけど、「走らない選手は本当に走らないのだよこれが(笑)」byオシムは、抗えない真理なのかねえ・・・