「噛み合わない守備に苦しんだものの、後半はあわや1G1Aだった酒井」UEFAヨーロッパリーグ ベスト32第2レグ ブラガ-マルセイユ

マルセイユでの第1レグを3-0で圧勝、余裕を持った状態で臨んだブラガホームでの第2レグ。マルセイユはトヴァンとパイェを温存し、ジェルマンの1トップに2列目がオカンポス、サンソン、エンジエ、SBは左が酒井、右がサールという4-2-3-1というフォーメーション。

試合は序盤こそマルセイユがブラガを押し込むが、すぐに形勢は逆転する。第1戦とは違ってブラガのDFラインが非常に高く、フォーメーション的には4-2-3-1なんだけど、常時どちらかのSBが高い位置に上がった3-2-4-1のような形になっており、前の5人でマルセイユの守備に対して猛烈なプレッシャーをかけて来る、

マルセイユもハイラインの裏を狙おうとするのだが、相手のラインコントロールが上手くてことごとくオフサイドに引っかかり、たまに前線へボールが入ってもマークが激しくてキープし切れず、ボールを奪われるとすぐにサイドアタックを浴びてしまう。

そこでマルセイユの守備陣は急いでブロックを作ろうとするんだけど、左サイドは酒井とSHオカンポスの距離が空いてしまい、そこをブラガが数的優位を作ってコンビネーションで崩して来る。酒井も何とか必死で相手に食らいつくのだが、どうしても後追いになってしまってボールを奪いきれない。

ただ、ブラガもせっかくのチャンスにシミュレーションやシュートミスで決めきれず、少し試合のペースが落ちたかなと思われた前半31分、ブラガが左のタッチライン際からクロスを上げると、ファーに居た酒井がカバーに行くもわずかに間に合わず、ダイレクトでボールを折り返されて、中に詰めていたオルタに押し込まれて先制ゴールを許してしまう。

前半のシュート数は8対3と圧倒されていたマルセイユだったが、後半になると一気に攻勢を仕掛け、前半はあまり攻撃参加しなかった酒井も頻繁にオーバーラップを見せ、それはオカンポスに使ってもらえなかったが、ジェルマンの飛び出しからGKに2度当てる惜しいシュートなど、マルセイユが試合のペースを握り返す、

しかしブラガも後半14分、カウンターからピッチを横切るクロス、フリーでシュートもわずかに外という決定機。そこからブラガは再びDFラインを上げてプレッシャーを強めるものの、逆にカウンターからマルセイユのチャンスが増える。

後半18分に、カウンターから酒井がゴール前に飛び込み、クロスをヘディングで叩きつけるがブラガGKマテウスに当たる不運で得点ならず、23分にはオカンポスサイドを抜け出しGKと1対1も足に当ててしまい、24分には酒井のオーバーラップからジェルマンにピンポイントでクロスが行くも、相手にマークされてボールに触れずと、マルセイユは決定機をものに出来ない。

しかしまだ2点のリードがあるマルセイユは、後半30分を過ぎると1トップのジェルマンに代えてトヴァンを投入しつつ守備固めにシフト、酒井のオーバーラップをせずにPAの幅で留まり、サイドはオカンポスが下がってカバーする形に。

ブラガは後半37分にセットプレイからフリーでヘディングする決定機があったがシュートをふかしてしまうと、その後も何度かあったシュートチャンスはマルセイユGKプレがしっかりセーブ、試合はそのまま0-1で終了、トータルスコアは3-1となってマルセイユがベスト16へと駒を進めた。

酒井は前半こそ相手の数的優位を作る攻撃に苦しんだが、後半はあわや1G1Aと存在感を見せ、すっかり左SBを自分のものにしつつあるのが頼もしい。週末はPSGとの大一番だが、温存のアマヴィは先発として、右SBは酒井になるのかサールになるのか、スタメンが注目である。