「どちらも上から見る立場になったからこそ興味深い」野々村芳和と名波浩のJリーグ・ラボ概要書き起こし

昨日は会社がらみの飲み会があって、帰宅してから試合を見ても酔っ払って内容を忘れそうだったので、録画してあった1月放送分の「Jリーグ・ラボ」を何となしに見てみたところ思いの外楽しくて、ちょっと概要を書き起こしてみました。

オープニング

例えばJリーグアウォーズなどで表彰した時に家族への感謝を言うのがお決まりになっているけど、ウチ(名波家)も嫁さんに感謝したいけどやらかしすぎ。子供の体操服の代わりに寝巻きを詰めていたり、子供の弁当開けてみたら空っぽだった(笑)。

札幌に移籍したジェイについては、ジュビロのサッカー的にはもっと前線で動いて多くの仕事をして欲しかったが、そこまでのゲーム体力がジェイにはなかったので手放した。

オフシーズンはパトリックの争奪戦が激しくなっていたが、その裏でお金で勝てない札幌は密かにジェイを狙っていた。残留争いに十分貢献したので正解だったのは確かだが、活躍しすぎた故にジェイの年俸に対する要求がアップし過ぎて、経営的な立場としては困っている。

それに、ジェイはチームメイトにも要求が大きく、それに対してチャナティップがショックを受けて泣いてしまったそれを小野伸二が「海外ではそれが普通だから気にするな」ととりなしていた。

ジュビロについて

昨シーズンの成績についてだけど、具体的な目標は得失点差を0にするだったが、実際はプラス20と大きく上回った。

ターニングポイントは、第11節からの川崎、柏戦。結果的には0-2で連敗したが、優勝争いをするだろうと予想していたチームに対して決して守備的になることなく、前からアプローチかけていき、前の選手サポートする回数、サポートした選手を追い越す回数も非常に多くできた。

シーズンベストは24節の神戸戦。中村俊輔は発熱で欠場、ポドルスキに得点を決められてビハインドになったが、川俣のゴールで追いつくと、最後は松浦がフリーキックを決めての勝利。チームはもちろん自分の中でもすごく盛り上がった試合だった。

中村俊輔は本当のサッカー小僧で、鹿島戦で好きな位置からのFKがバーを越えてゴールネットに落ちて決まらなかった時、その翌日に朝の8時から練習していた。その試合ではチームで一番走っていたし、翌日だったら休みたいのが普通だけど、39歳という年齢からは考えられない熱心さ。

中村が入ったことで他の選手に良い影響を与えている。実際に試合でも、中村が相手とボールを引きつけるので、周りにフリーの選手が増える。結果的にチーム全体のボールタッチ数が明らかに増えた。普段の練習でも700~800人ぐらいは来るようになったし、色んな意味で大きな補強だった。

残留争いについて

札幌の残留争いだが、本当は観客が入る函館で何試合帰りたかったけど、札幌から移動が4時間もかかるので選手のコンディションを考慮して断念した。柏戦で厚別か札幌ドームも選べたんだけども、四方田氏に聞いたら、厚別の方が芝が深くて上手いチームが苦労するのというので厚別にしたら3-0で勝利した。

チャナティップの獲得は良かった。毎日タイのメディアが日本に住んで張り付いているぐらい、現地のん注目度が凄い。ゴールはちょっと物足りないが。

質問「子供は左足でのプレイが得意だけど、それで良いのか」

現代サッカーでは、左右両足とも流暢に蹴れるほうがチームの推進力やスピードが高まるし、アイデアの部分もグッと広がったり速くなったりするから、それは両方のほうがいい。ただ押し付けは良くない。子供を育てる上で親御さんが色々言うことは多いが、指導者に任せるべき。両者で言うことが違うと子供が混乱する。

ホーム最終節の挨拶について

磐田では「俺についてこい」みたいな事を言ったけど、挨拶なんてやらないほうがいい。クラブや監督の評価は1年間のトータルであるべきで、例えば最終節で負けた時としてブーイングを浴びながら挨拶をするようなものではない。何か意見を表明する必要があればホームページがある。

今年の目標について

野々村社長は体重を77kgにする。名波監督は今78kgある体重を74kgにする。コーラは好物なので、試合に勝った時の褒美としていたのに。チームが勝ち過ぎて結局いっぱい飲んでしまった(笑)。

 
いやしかし、野々村さんはコンサドーレの社長になる前からテレビでは良く見ていたけど、1つ1つの発言も重みのあるものが増えているし、見かけもそうだけどすっかり経営者としての貫禄が出ているのにちょっと驚いたね。そして名波さんも、現役の時はヤンチャな物言いが多かったのに、すっかり一人前の監督らしくなってしまったね。やっぱり立場は人を変えるんだなと感心した1時間でした。