「今のドルトムントに必要なのは、”アンバランス”という言葉」ドイツ・ブンデスリーガ

ウインターブレイクからの移籍志願ボイコットによって、エースのオーバメヤンを欠いた状態になっているドルトムント。今節のヘルタ戦でも何とか香川のゴールによって追いつきはしたが、またも勝ちきれない試合を見せてしまった。

ドルトムントのフォーメーションは今節も4-3-3で、1トップはシュールレ、ウイングにサンチョとプリシッチ、インサイドハーフがゲッツェと香川という並び。対するヘルタは4-2-3-1で、ドルトムント対策としてヴァイグルにトップ下のドゥダ、香川とゲッツェにはボランチがマンマークで当たる守備を取って来た。

ヴァイグルへのマーク対策として、香川がボランチに下がってゲームメイクをするのだが、シュールレにポストプレイは期待出来ないし、ゲッツェもオフ・ザ・ボールで工夫する選手ではないので、どうしてもドルトムントの攻撃はサイドチェンジからの個人技突破に偏ってしまい、前半のチャンスらしいチャンスは13分にプリシッチからのクロスに香川がヘディングした場面ぐらいで、ドルトムントはボールを保持しながらも攻めあぐねる展開。

逆に後半開始早々、ヘルタは右サイドをワンツーで突破し、グラウンダーのクロスをゼルケが上手くファーに逃げる動きで合わせてヘルタが先制点をゲット、さらに左サイドからカルーが放ったシュートが決まったかと思ったら、ゴール前に居たヴァイザーが触ってしまいオフサイド、ドルトムントは命拾い。

ドルトムントは後半26分、サンチョがドリブルで右サイドを突破、一度は相手に止められたがライン際で粘り、ファーに飛び込んだ香川にクロスがピタリと合って、ダイビングヘッドで同点に追いつく。サンチョは17歳だが、個人技だけではなくて視野が広くてパスセンスもある事を見せつける。

その後はドルトムントが圧倒的にヘルタを攻め立て、36分には交代で入ったイサクのポストからサンチョのシュート、40分には香川のダイレクトパスからイサクが胸トラップでシュートを放つもいずれも枠外。ロスタイムにはイサクが今度は胸トラップでパスをするも味方に合わず、ヤルモレンコがPA内で倒されたのもノーファール。結局ドルトムントは追加点を決められず、試合は1-1のドローで終了した。

点が取れない原因はもちろんオーバメヤンの不在が大きいが、香川とゲッツェはどちらもパサーだし、プリシッチとサンチョはドリブラー、SBのピシュチェクとトルヤンは突破タイプと、今のドルトムントは左右の攻撃がどちらも似たようなタイプを揃えていて、相手にとって守りやすい面もあるように思う。

香川とゲッツェを横並びじゃなくてどちらかを前に出すとか、あえてバランスを崩した配置にしたほうがいいんじゃないかと思うのだが・・・もしくは、噂に出ているジルーのような強力な1トップで確固とした基点を作るぐらいしか、なかなかこの閉塞感を抜け出す方法な無いように思う。