「大阪桐蔭の全員サッカー、6発の大勝で大会好発進」高校サッカー選手権 2回戦 大阪桐蔭-羽黒

大阪桐蔭といえば野球やラグビーが有名だが、今期はプレミアリーグ参入戦で流通経済大柏に負けたものの、プリンスリーグ関西1部で優勝し、サッカーでも密かな優勝候補に挙げられている大阪桐蔭。初戦となった2回戦の羽黒高校戦は6-0で大勝する好スタートとなった。

大阪桐蔭のフォーメーションは4-2-3-1で、基本はゾーン・ディフェンスなのだが、ビルドアップが非常にユニーク。CB、SB、ボランチ、時にはSHまでがDFラインまで下がってワンタッチでボールを回し、相手のプレスをしっかり外しきってからサイドチェンジで一気に展開する。

そして高い位置で基点を作ると、選手がどんどんダイアゴナルランでスペースへと動いてボールホルダーをサポート、複数のパスコースを作って次々にパスを繋いでいく。昨日見た滝川第二のマンマーク戦術を見てちょっと心配してしまったのだが、これだけゾーン・ディフェンスの基礎がしっかり出来ているサッカーを見ると安心する(笑)。

羽黒も同じく4-4-2のゾーン・ディフェンスで、プレスをかけてショートカウンターを狙ったはいたのだが、前線がプレスをかけても鳥かごの鬼のように、大阪桐蔭のパス回しに振り回されて結局無駄な体力を使ってしまい、人数の薄いところへと通されてしまうので対応が後手後手になってしまった。

とは言え、開始3分にセットプレイからの折り返しに抜け出した今岡が決めて大阪桐蔭が先制したものの、そこからは拮抗した展開が続き、31分にはスルーパスに抜け出すビッグチャンスの場面も羽黒にあった。しかしCKから連続して大阪桐蔭が得点を奪うと、39分には相手のクリアミスをダイレクトでロビングシュート、これは羽黒のGKが下がりながら何とか手に当てたものの、こぼれ球を押し込まれ4点目と、大阪桐蔭の抜け目無さが際立っていた。

後半も、開始早々に大阪桐蔭がPKを獲得して5点目を決めて相手の出鼻をくじくと、その後もポゼッションで優位に立ち続け、後半25分には左サイドの突破から折り返しを菊井が冷静に流し込み6点目。最後は羽黒もセットプレイからチャンスを作ったが押し込めず、試合はそのまま6-0で終了した。

これと言ったストライカーがいるわけじゃないが、各選手の技術レベルが高くてハードワークを厭わず、戦術的に統率が取れた全員サッカーは見ていてとても面白い。青森山田や流経大柏、前橋育英、富山第一といった優勝候補との試合が楽しみである。