年末恒例、2017年・日本サッカー10大ニュース

さて今年も残すところあと2日。大掃除や正月の準備もたけなわで疲れがピークに達している今日このごろ・・・

それだけじゃなく、今年の後半はプライベートの問題が湧いて出て、いろいろドタバタしっぱなしで最近はTwitterでの情報収集もままならない状態だけど、とりあえず恒例の日本サッカー10大ニュースを書いてみます。

 

10位 ロシアW杯予選、常連国の敗退

ワールドカップで通算4度の優勝経験があるイタリアを始め、オランダ、アメリカといった常連国、アフリカ王者のカメルーン、コートジボワールなどがまさかの敗退。アジアではオーストラリアがプレーオフに回ってあわや敗退のピンチと、強豪国といえど完全に安泰なチームは少なく、全体的なレベルの底上げを感じる予選だった。

次回のカタール大会を最後に、出場枠が32から48に増えるため、今回のように予選で波乱が味わえるのもあと4年の楽しみなのかも?

 

9位 ユース日本代表、長い谷間を脱却

最近はアジア予選すら突破できなかった、U-20以下世代の日本代表が、2017年はU-17、U-20ともに世界大会へ出場、どちらもグループリーグを突破という大きな成果を挙げられた1年だった。

まだ世界レベルでの経験不足は感じるものの、かつてユース代表に感じたような対人守備面の弱さが多少マシになり、4-4-2のゾーン・ディフェンスを当たり前にこなせるようになった事は大きいが、まだ戦術面ではやっと世界標準のスタートラインに立っただけなので、これからの継続、発展に期待したい。

 

8位 久保君フィーバー

そしてユース世代の話題では、何と言ってもU-17とU-20の両大会に出場した、元バルサ下部組織の久保選手。確かに能力的には非凡なものがあり、ゴール前でのドリブルの切れ味、PAのどこからでも冷静に狙えるシュート、視野の広さ等は同年代のレベルから見て頭一つ抜きん出ているのは事実。

とは言え、まだフィジカルは弱くてすぐ潰されがちだし、近距離のシュートはいいけどミドル以上の威力、精度はまだまだ。現時点では単に「上手い」選手に留まっているだけとも言える。ここから本当に「怖い」選手になれるのかどうか、陰ながら注目していきたい。

 

7位 海外組の世代交代?

本田はミランで居場所を失いパチューカに移籍、香川は若手の台頭と怪我でサブに回ることが多くなり、長友もインテルでSBの序列は現在3位以下、岡崎は常に新監督から何とかしたいポジションの1番手にされるなど、ザックジャパンを支えた黄金期の選手がピークを過ぎ、原口や大迫、久保、酒井宏樹、柴崎らロンドン五輪以降の世代が海外組や日本代表でも目立つようになって来た。

ただ、今シーズンは本田がパチューカでゴールを量産、香川や岡崎もスタメン起用が増えるなど、ザックジャパン組も巻き返しが顕著、このまま相乗効果でレベルアップし、ロシアW杯へ繋げたいところだ。

 

6位 ネイマールの290億円を筆頭に、天井知らずの移籍金

ファイナンシャル・フェアプレイなどどこに吹っ飛んでしまったのかというぐらい、290億円のネイマールに続いて236億円のムバッペと、今夏のパリ・サンジェルマンの爆買いは恐ろしいものがあった。

そしてこの冬も、金満こそ俺達の代名詞とばかりに、まずリバプールが吉田が所属するサウサンプトンからオランダ代表のファン・ダイクをDFとしては史上最高額の110億円で獲得、プレミアリーグ勢の逆襲が始まりつつあります。果たしていつかバブルは崩壊するのだろうか?

 

5位 Vファーレン長崎、J1初昇格決定

クラブの経営危機で一時はJ3降格が噂されたVファーレン長崎に、突如あのジャパネットたかたが現れてクラブを買収、1年でJ1昇格というまさかのシンデレラストーリー。

しかも親会社を持つJクラブに良くある、サッカー素人の天下り社長がクラブを私物化、ハチャメチャな補強でチームを路頭に迷わせたり、オーナーが強権で現場介入、監督も戦術も日替わりといったような事はなく、創業者の高田明社長が直々に陣頭指揮、まずはクラブ職員の待遇改善から始めたという神経営ぶりに、他のサポーターのよだれが止まらない。J1でどんな旋風を巻き起こしてくれるのか楽しみである。

 

4位 シルバーコレクター達の卒業

ルヴァンカップはセレッソ大阪、そしてJ1は川崎フロンターレと、今まで散々対戦相手が優勝したシーンを見せつけられてきたシルバーコレクターが、ようやく初タイトルを獲得、サポーターや地元メディアの初々しい喜び具合が微笑ましい1年だった。

もちろん今年は辛酸を嘗めた鹿島や浦和、ガンバといったチームも雪辱を期してくるだろうし、この歓喜を単なる思い出にしてしまわないよう、来期もさらなるレベルアップを期待したいところである。

 

3位 浦和レッズ、アジアチャンピオンズリーグ制覇

2008年にガンバが優勝して以降、Jリーグの財政規模が縮小して行くのと反対に、中国のクラブがブラジルや欧州から現役代表クラスを獲得、監督もスコラーリやペジェグリーニ、リッピといった世界のトップクラブを率いる事が可能な名将をずらりと並べ、Jリーグ勢はグループリーグ突破がせいぜいだったACL。

しかし今年は、浦和レッズが決勝トーナメントのアウェイで負けてもホームで大逆転する奇跡の快進撃を見せ、決勝もトータルスコア2-1でアル・ヒラルを下し、10年ぶり2度目の優勝を飾った。クラブW杯では残念だったが、Jリーグにとって久々に明るい話題をもたらしてくれた。が、近年の低迷により来期はストレートインが2枠、プレーオフからが2枠と実質出場枠の削減。悲喜こもごもの1年となった。

 

2位 DAZNマネーに湧くJリーグ

その隠れたアシストになったであろう、Jリーグに突如襲いかかった、10年間で2100億円と巨額の放映権契約を結んだ大型台風「DAZN」。その結果、J1で優勝した川崎にはトータルで何と22億円、2位の鹿島には12億弱のマネーが転がり込む事になり、まさに上位チームはにわか成金状態。それと同時に、1つ順位が下がると金額も逆倍々ゲームで下がることになり、これまでは護送船団方式だったJリーグに本格的な格差社会がやって来る事にもなる。

親会社の金をドブに捨てるような補強しか出来ないチームが少なくない中、どれだけ経営陣が有益にDAZNマネーを使いこなせるかという点が、各クラブの運命を左右する時代になることは確実である。

 

1位 日本代表、ロシアワールドカップ出場決定

ラストの1位はもちろんこの話題。

いきなり初戦のホームUAE戦で、最終予選の初戦に負けたチームが本大会に出場した例は無いとのジンクスを突きつけられ、その後は順調に勝ち点を伸ばしたものの、テヘランでのイラク戦でドローに終わり、残り2試合で1勝以上しないとプレーオフという再度の崖っぷち。しかしホームでオーストラリアに2-0で快勝、ジェットコースターではあったがグループ1位でロシアW杯への出場を無事決めた。

ザックジャパン世代からロンドン五輪世代へと世代交代を進めながら出場というノルマを果たしたのは喜ばしいが、その後の欧州遠征やE-1選手権では底上げの厚み不足を露呈。足りない部分は明確になったが、あと半年で劇的に何かを変えるのは難しい。キャンプやテストマッチ、合宿メニューなどの戦略、対戦相手に応じた戦術・選手の使い分け、それら総合力をどう駆使して本大会で結果を出すのか、これからが本当に監督にとっての正念場である。

 

さて来年はいよいよロシアワールドカップの本大会が行われます。今年は世界の外交ではトランプ大統領のアメリカが孤立化、中東や北朝鮮情勢におけるロシアの存在感が増していますが、サッカー界でも同じような流れになっているのが面白いですね。

また大晦日はなんか試合のレポートを書くかもしれませんが、ひとまずここで年末のご挨拶をさせていただきたいと思います。では皆さん良いお年を!