「本田は果たしてロシアW杯のメンバーに選ばれるのだろうか?」FIFAクラブワールドカップUAE2017 準決勝 グレミオ-パチューカ

やっと今大会初めてクラブW杯の試合を観戦。既に実施から日にちが過ぎた試合なので、主に注目の本田がパチューカでどんなプレイをしたかに注目して試合を見てみた。

パチューカのフォーメーションは4-3-3で、本田は右のインサイドハーフとして出場。グレミオのフォーメーションは4-2-3-1。1トップには、かつて香川とドルトムントで良いコンビを組んでいたルーカス・バリオスが入った先発。

前半はどちらかと言うとパチューカペースで、4-5の形でゾーンを作ってボールを奪うと細かくパスを繋いでグレミオ陣内までしっかり入り込む。が、グレミオはゾーンからマンマークへと移るタイミングが早く、アタッキングサードに入ってからはパチューカの選手を確実に捕まえ、ゴール前で仕事をさせない。

そんな中でも本田は存在感を発揮、中盤ではスペースを埋めてバランスを取りながら、攻撃となると強靭なフィジカルで相手のプレスをいなし、ワンタッチの強いパスで攻撃のアクセントを加えていた。そして29分にはゴール前に飛び出してパスを上手くトラップするも、最後にDF2人に挟まれてシュートを打てず、前半ロスタイムにはハーフラインの後ろから連続ワンツーでシュートまで持っていくもグレミオGKグロエに阻まれる。

後半になると、14分にパチューカが本田のドリブルから惜しいスルーパスというチャンスは作ったものの、前節に120分戦ったパチューカの運動量が落ち始め、グレミオがジリジリと前に出て来てボールを支配、FWのルアンやジャエウがゾーンの間でパスを受け、サイドに展開する攻撃でパチューカを押し込むようになる。

その後は、何度もグレミオが決定的なチャンスを作るも決定力不足でゴールならず、試合は90分間ノーゴールのまま延長線に突入。ここでパチューカのアロンソ監督は、PK戦を見据えたのかエレーラを投入して3バックへと変更したのだが、これが完全な裏目に出てしまった。

延長前半5分に左サイドからスローインを入れると、ボールを受けたエベルトンがマルティネスを振り切ってドリブル、カットインからファーサイドのゴールネットに突き刺すゴラッソ。もし4バックのままならサイドは2枚いたので、結果論ではあるがこの失点は防げたかもしれない。

そして疲労困憊のパチューカは失点後も試合を盛り返す事が出来ず、試合はそのまま1-0で終了。グレミオがレアル・マドリーとの決勝戦に進出した。

本田は右膝に水が溜まってテーピングを巻いた状態でのプレイだったが、途中から運動量が落ちてキックがミスになる場面が増えたものの、前半のプレイビジョンと精度、フィジカルはさすがで、E-1に出場している国内組とはベーシックな部分でのレベル差を見せつけたと言える。

W杯のような厳しい試合では、ゴール前やバイタルでいかに個人でクリティカルな仕事を出来るかが試合を左右するものであり、攻守で8割の仕事は出来るけど、アタッキングサードで残りの2割が出せない選手が多い現在の代表にあって、本田が必要とされる時間は必ずあると思っている。これからパチューカを離れるという噂があるが、できるだけ高いレベルで試合に出続けられるチームを選び、本番に向けてコンディションを整えて欲しいところだ。