「エイバル3連勝の裏には、乾の”あまり嬉しくないコンバート”があった?」リーガ・エスパニョーラ第14節 エイバル-エスパニョール

10月まではずっと得点力不足に悩まされ、降格圏ギリギリに沈んでいたエイバル。しかし12節のベティス戦で5-0の大勝を記録したと思ったら、次節は2-1、そしてこのエスパニョール戦でも3得点でリーグ3連勝と、突然の快進撃で順位も13位まで浮上した。

エスパニョール戦のスタメンも、リーグ戦過去2試合と同様に乾が左SHに入った4-4-2のフォーメーション。ただFWの一角であるシャルレスが前節に一発レッドで対抗したため、2トップはキケとエンリクの2トップでスタート。対するエスパニョールも4-4-2のマッチアップ。

試合は、当然ながら各ポジションで激しいデュエルが展開される形で始まるが、エイバルは守備時にはサイドの選手が中に絞り、攻撃時にはワイドに開く形でサイドチェンジを上手く使い、徐々にポゼッションで優位に立つようになる。自陣に下がったエスパニョールは、2トップへのロングパスで局面打開を図るが、エイバルがことごとくカットしてセカンドボールを支配する。

そして前半8分、エイバルはゴール前でFKのチャンスを得ると、アルビージャのキックはエスパニョールGKパウが手に当ててクロスバーに跳ね返されるが、キケがきっちり押し込んで先制点をゲット。エスパニョールも15分にカウンターから抜け出しモレノがシュートを放つもエイバルGKドミトロヴィッチがきっちりセーブする。

前半25分頃から、エスパニョールがボールを支配する流れになって、エイバルは守備の対応が後手に回ってファールで止める事が多くなるが、セットプレイを何とか跳ね返して耐えるエイバル。すると32分に乾が基点になったカウンターからダニ・ガルシアのシュートは大きく外れたものの、37分に相手が中盤でトラップをミスしたところをインターセプトすると、右サイドを駆け上がったアレホにスルーパス、これをダイレクトで叩き込むゴラッソが決まりエイバルが2点目。

後半になるとエスパニョールがハイプレスを仕掛けて反撃に出る。前半は最も多いボールタッチ数を記録して攻撃の基点になっていた乾に対しても、右のボランチに入ったダルデルが早めに寄せてパスコースをカット、エイバルは攻撃が寸断されて受けに回る展開になったが、今度はその分右サイドの攻撃が活性化、すぐにエイバルがペースを握り返す。

試合はしばらく膠着状態が続いたが、後半23分にDF裏へ抜け出したエンリクの顔に、ダビド・ロペスの高く上げた足が入ってPK&イエローカード、これをジョルダンが決めてエイバルが3点目。後半34分にエスパニョールのFKからエンリクが上手く頭を振って技アリのオウンゴール(笑)で1点を返されたが、その後は波乱無く試合終了。

乾は前を向いてドリブルを仕掛ける場面は多かったが、足元にボールが付かなかったり、相手のタックルでロストするなど点に絡む仕事としてはイマイチ。しかし特に前半はサイドで長いパスをきっちりトラップ、そこから確実に味方へ繋げるなどゲームメイクの中心として存在感を見せていた。代表のことを考えると、もっと個人で打開出来る能力を高めて欲しいのだが・・・ゲームメイクでチームの評価が高まるのは痛し痒しだよね。