「エリクセン、ハットトリックでアイルランドの希望をあっさり叩き割る」ロシアW杯欧州予選 プレーオフ第2レグ アイルランド-デンマーク

プレーオフの第1戦は、デンマークでのアウェイ戦では守り倒してスコアレスドローにまとめ、形の上では優位に立ったアイルランド。

しかも第2戦のホームでは、開始5分にFKからのクリアミスをダフィーが頭で流し込み、まんまと先制に成功、これはアイルランドの形に持ち込んだかと思われたのだが、その後はまさに地獄が待っている事になろうとは、誰も想像できなかっただろう。

先制点の後にも、21分にはアルターが右からのクロスをニアで合わせ、23分には左サイドをスルーパスで破ってマクリーンがシュートと、2度も決定機を作り出し、観客席がホームの大観衆で埋まったアイルランドは押せ押せムード。

しかし試合内容的には、先制点で守りの意識が高くなったのか、積極的にプレスをかける2列目に比べてDFラインの押し上げが無く、4-1-4-1のアンカー横に広大なスペースが生まれ、カウンターもまともに出来なくなって嫌な空気が流れ始める。

すると前半28分、デンマークのショートコーナーからシストが股抜き、クロスからのシュートがポストに当たり、跳ね返りがクリスティの体にあたってゴールインという、アイルランドにとってはアンラッキーな失点を喫し、これでアウェイゴールによってデンマークが逆転する。

当然、さらにアイルランドは攻勢に出るのだが、前半31分に綺麗なカウンターから最後はエリクセンの正確なダイレクトシュートが決まり、あっという間に2点差。これでアイルランドが勝ち抜けるには3点が必要になり、この時点でゲームプランは崩壊したと言って良い。

デンマークはリードをしてもあまりDFラインが下がらず、中盤にスペースがないのでアイルランドは押し上げてもなかなかゴール前までたどり着けない。しかもビルドアップがうまくないから、余計にデンマークのラインが下げさせられない悪循環。

後半からドリブラーのマクギーデイを投入、アイルランドはボールを奪いたいからどんどん マンマーク気味にアプローチするんだけどそれが守備のバランスを崩して デンマークにスペースを使われるという、ブラジル戦の日本のような状況になってしまう。

案の定、後半17分に中盤にポッコリと空いたスペースでパスを回され、最後はエリクセンに狙いすましたミドルを食らって3点目。これで試合は完全に決まってしまった。

ヤケクソのアイルランドはその後から3バックにしたが、今度はその3バックにミスが出る。相手のパスをカットしたものの、中途半端になってボールが前にこぼれ、エリクセンが拾って蹴り込みハットトリック。43分には途中出場のベントナーが左サイドからドリブルを仕掛けると、アイルランドが二人がかりで倒してしまいPK。

3失点目の時には、アイルランドサポーターが死んだ魚のような目になっていたんだけど、5点目の時には達観したような薄笑いになっていたのが、かえって不憫だったよね・・・しかしデンマークのエリクセンは恐ろしいよね。万が一、日本がW杯でデンマークと同じ組になったら、山口蛍をマンマークに付けるでもしないと絶対にやられそうだ。