「ハリルジャパンの道のりは、ペップ・シティからはまだ果てしなく遠い」イングランド・プレミアリーグ第11節 マンチェスター・シティ-アーセナル

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昨日は、日本が対戦するブラジルやベルギーの中心選手が出場している、マンチェスター・シティとアーセナルとの試合を観戦。

日本戦のスタメンが決定しているジェズスとダニーロはサブだったが、フェルナンジーニョ、エデルソン、デブルイネが先発し、シティにとって代えが効かないアンカーであるフェルナンジーニョのバランス感覚や危機管理能力、中盤選手としては世界No.1レベルなデブルイネのパスセンスと決定力に舌を巻いたわけだが、個人の出来云々よりも両チームの戦術的な思想の違いにまず気を引かれてしまった。

シティのフォーメーションは4-1-4-1なのだが、ほとんどの時間帯でポジションのバランスを変えずに攻守を切り替えているのが良く分かる。相手ボール時には3バックには3トップ、4バックにはシルバが出て来て数的同数でプレスをかけてパスコースを限定し、中盤から後ろの選手が押し上げてパスカットを狙う。そして攻撃に転じると、アーセナルの3バックに対して前線の4人がワイドに並んで優位を作り、サネとスターリングのスピードに、デブルイネが長いスルーパスを正確に合わせて来る。

攻守において常にポジショニングのバランスが崩れないので、ボールを奪われてもすぐにプレスバックで対応する事が出来、サイドチェンジをされても素早いカバーが可能になる。そして選手がポジションチェンジをしても、15パズルのようにスペースがローテーションするだけなので、攻撃のオートマティズムが担保されてミスが起こりにくい。

グアルディオラは、ピッチを縦に5分割して徹底的に選手のポジショニングを突き詰めた練習をしているそうだが、「選手には自由が必要だ」「ハリルホジッチのサッカーは縦に急ぎ過ぎで落ち着きが無い」などとグダグダ言ってる日本の議論とは、そもそも発想の次元がぜんぜん違う。徹底したオートマティズムでハイペースなサッカーを90分間続ける事が、もはや世界トップレベルでは常識なのだ。

それに比べてアーセナルは、まだ良くも悪くも人間臭い、ややオールドスタイルのサッカーだと言える。基本的にポジショニングが選手の判断によっていて、しばしば攻守の切替時にバランスが崩れる事が多い。この試合でも2点のリードを奪われるととたんに前にバランスが偏って後ろの選手が追随しておらず。何度も中盤に空いたスペースを使われてカウンターを食らっていた。まあ、シティの3点目は完全なオフサイドだったのは気の毒だったけどね。

ジェズスは62分に途中投入。プレイスタイルはスピードとテクニックがある岡崎で、マイボールになるとすぐさまゴール前に飛び出し、相手から消える動きで抜け目なくゴールを奪う。ボールを奪われてもすぐに取り返す忠実さ、運動量も良く似ている。確かに厄介な選手だが、パウリーニョのようなフィジカルでゴリ押し、ミドルズドンという選手よりは日本にとってやりやすいと思う。

ハリルホジッチの目指すサッカーは、シティかアーセナルかと問われれば間違いなくシティの方向性だろう。インサイドハーフがデブルイネとシルバ、長澤や井手口、山口蛍では攻撃面で天と地ほどの差があるが、もしここに香川や柴崎、本田を置ければもうちょっとマシになるかもしれない。これからの半年は、そういう部分を探る仕事になるのだろう。

 

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