「どちらも強固なゾーン・ディフェンス同士のがっぷり四つ」AFC U-19女子選手権 決勝 日本-北朝鮮

昨日は飲む用事の後だったので、録画してあったAFC U-19女子選手権、日本と北朝鮮の決勝をサクッと観戦。

既に準決勝の中国に勝利した事で、FIFA U-20女子ワールドカップの出場権を得ていた日本だが、女子サッカーでは現在アジア最大のライバルである北朝鮮と雌雄を決する意味でも勝っておきたい試合。

北朝鮮女子と言えばフィジカルなイメージが強いのだが、U-17の選手は日本よりもやや体格が小さく、ゾーン・ディフェンスをベースとしたパスサッカーという意味でも日本と良く似たタイプのチームで、互いに一歩も引かない均衡した展開になった。

それでも平均的にテクニックが勝る日本は、ボランチの長野と林のハードワーク、攻撃のリンク能力をベースにポゼッションで優位に立つものの、やはりこの世代は筋力の問題で長いパスが出せず、ビルドアップもあまりSBやボランチが絡まずDFからFWへクサビを入れる形が多く、そこを北朝鮮に狙われてピンチになったりと、なかなかリズムを掴みきれない。

北朝鮮は得点王かつ大会MVPにもなった、小柄なFWソン・ヒャンシムの切れ味鋭いドリブルでカウンターを狙うが、日本もしっかりコンパクトなゾーンを形成してサイドに追いやり、数的優位を作って奪う守備が機能、日本も相手に得点は許さない。

しかし後半5分に、CKからのこぼれ球を日本が広い、まだ北朝鮮がPA内に人数を揃えていた状態で左サイドへ展開すると、植木がファーサイドへ見事なゴラッソを決めて日本が先制、後半14分のセットプレイからの北朝鮮の連続攻撃、ロスタイムのパワープレイもGK鈴木を中心に集中力を切らさず守りきり、日本が見事にこの大会2連覇を飾った。

日本の女子サッカーの場合、男子に比べるとゾーン・ディフェンスの浸透度は高かったものの、ハードワークやパススピードという点では物足りなさを感じていたが、まだロングパスの頻度は低いものの、ユース世代においては改善が見られているのは心強い。A代表のなでしこジャパンは、現在は世代交代で苦しんでいる状況だが、この世代からもガンガン底上げに絡んでもらいたいね。