「ハンブルガーSVの伊藤達哉は騒がれすぎと思ったが、謹んで訂正」ドイツ・ブンデスリーガ第11節 ハンブルガーSV-シュツットガルト

今期は若干20歳ながらHSVのトップチームで起用され、ドイツの名だたるクラブやマンチェスター・シティからも獲得の噂がある伊藤達哉。

正直、以前に試合を見た感じでは、まだ線は細いし体力が90分持たないしで、ちょっと騒がれすぎかなと思ったのだが、このシュツットガルト戦では相手が相手とは言え2得点に絡む活躍を見せるなど、この短期間の間にも着実に成長していて、こりゃ周りが放っておかないのも分かる気がした。

試合は、ブンデス下位同士でどちらもカウンター指向な4-2-3-1フォーメーションとあって、序盤から大味でガツガツと当たる展開になったのだが、やや厳しい判定のようにも見えたが前半13分でブルニッチが2枚目のイエローをもらって退場してしまい、その後は当然ながらHSVがボールを保持する形になった。

カウンター指向のチームがこういう数的優位の形になると、かえって攻めあぐねるパターンになりがちなのだが、それを打開したのがまさに伊藤達哉の働きだった。彼はファーストタッチで確実に前を向き、スピードを落とさずドリブルへ持ち込むことが出来るので、狭いスペースであってもプレイを苦にしない。フィジカルでガツガツ来られるよりは、待ち構えられたほうがやりやすそうに見える。

序盤は気合が入り過ぎたのかパスミスが多かった酒井高徳も、徐々に落ち着いて両サイドにパスを散らして伊藤を使うようになり、前半20分に酒井からパスを受けた伊藤が切り返したところでファールを受け、ハントのFKをシュツットガルトGKツィーラーがキャッチしながら後逸、足に当たってゴールに入るラッキーな先制点をゲットする。

後半10分にはPA内でディークマイヤーがビデオ判定でハンドを取られ、シュツットガルトにPKで同点にされてしまうが、後半20分に伊藤のドリブルからハントへパス、ディークマイヤーのクロスにコスティッチがファーに飛び込みヘディングゴールと、また伊藤のプレイからHSVが追加点を挙げる。

さらにHSVは、伊藤が交代した直後の後半24分にも、さらに若い17歳のFWアルプが、縦パスを受けて素早くターン、マークに入ったDFも交わして2試合連続のゴールで3点目、これで試合はほぼ決まってしまった。彼も確実にビッグクラブから狙われる逸材だよね。

シュツットガルトでは浅野も先発していたのだが、早々に退場者が出てしまったせいでほとんどの時間を低い位置での守備に費やされ、見どころは後半早々にスペースへの飛び出しでファールを受けてFKを受けた場面ぐらいだろうか。展開上仕方ない面はあるが、もうちょっと中盤での組み立てなどで働けるようになって欲しいところだ。