「本田がいくらチャンスとゴールを量産しても、パチューカは割れ鍋に綴じ蓋」メキシコ1部リーグ 前期第15節 サントス・ラグーナ-パチューカ

U-17W杯のために渋々契約したフジテレビNEXT。大会が終わってもまだあと1ヶ月は最低視聴期間が残っているので、せっかくなので本田が出場しているパチューカの試合を見てみた。

メキシコリーグをちゃんと90分間見たのは初めてだが、改めて思うのはとてもスペインリーグに似ているなという点。パチューカのフォーメーションは4-2-3-1で、本田は右SHでの出場だったが、SBがかなり高い位置に上がってビルドアップし、サイドと中盤でショートパスを繋いで敵陣までボールを運んで行く。ただ、アタッキングサードに入ると何故かどの選手も単騎のドリブルで突っ込みたがり、ボールを奪われてはカウンターを食らうマッチポンプが多いところが、スペインよりも落ちる印象。

そういう中で、本田のシンプルなプレイが非常にパチューカでは活きている。特に前半はサントスの本田に対するマークが緩かったので、本田のダイレクトパスやサイドチェンジが面白いように決まり、味方も本田にボールを預けて動くという信頼関係が出来上がっていた。

そして前半の31分にスローインから左サイドを抜け出しクロスをFWのハラが押し込みパチューカが先制、35分には本田のワンタッチパスから抜け出したシュートがポストに当たるチャンスを作ると、42分に右サイドの突破からクロスをハラが落とし、本田が左足でジャストミートすると、弧を描いたボールがファーサイドに決まる美しいゴールになってパチューカが2点目をゲットする。

しかし今期のパチューカが低迷しているのには理由があった。SBが頻繁に攻撃参加するスタイルなのに、CBのマークがJリーグ並みにユルユルなのだ。本田が2点目を決めた直後に、サントスのFWジャニニーに入った縦パスからあっさりCBが入れ替わられて失点してしまい、相手の勢いを蘇らせて前半を折り返すと、後半から本田に対するマークがキツくなってボールをロストする場面が増え、どんどんパチューカのリズムが失われていく。

後半も10分過ぎには早くもパチューカのラインがダダ下がりになってサントスにボールを支配され、15分にはまたもジャニニーに無回転のミドルシュートを決められ同点。その後も相手に攻められながらパチューカは何とかカウンターで対抗するも、本田にも疲れが見えて味方と攻撃が合わないシーンが多くなり、後半40分に本田は交代。試合はそのまま2-2で終了した。

本田は前半のようにパスコースがある時は好調時に並ぶアイデア、キック精度を見せたものの、後半になってコースやスペースが無くなると持ち過ぎてロストと、試合の中でも調子の波が激しくスタミナもまだ物足りない。上昇気流には乗っているとは思うが、まだまだ試合でフィットネスを上げていく必要があるだろう。最近のゴールで本田待望論が高まっているが、11月の代表戦に呼ぶのは時期尚早である事は確かだ。