「鹿島の貫禄に負けたが、札幌のサッカーは明確で楽しい」J1第31節 コンサドーレ札幌-鹿島アントラーズ

土曜日に行われた海外組の試合はどれもイマイチな様子で、J1上位対決となった柏対川崎の試合を見始めたんだけど、見事にピッチが水浸しでボールが止まりまくるサッカーで、戦術的に見るべきものが無さそうだったので、裏でやっていた札幌対鹿島の試合を録画観戦。

ここ4試合で2勝2分と好調な札幌に対し、鹿島はリーグでは横浜Fマリノスに競り負け、天皇杯では神戸にPK戦で敗退するなど、持ち前の勝負強さが失われていただけにアップセットの期待はあったのだが、きっちり鹿島らしいしたたかさが蘇り、スコアは2-1と僅差ではあったが勝負どころでの力量差を感じる試合だった。

とは言え、札幌の試合内容は決して悪くなかった。フォーメーションは3-4-2-1で、守備時はしっかり5バックでスペースを埋めつつ、ボールを奪ったらジェイと都倉にボールを集め、チャナティップがドリブルでサイドから仕掛けると、攻撃の形が明確。少なくとも前半の35分頃までは試合のペースは札幌が握っていたと言える。

しかし鹿島は前半の終わり頃からペースを上げると、後半開始から札幌に対して強烈にプレッシャーをかけて慌てさせ、2分にはサイドチェンジのボールを山本が頭で折り返し、金崎のキープを札幌のDF陣が何とか止めるも、こぼれ球を走り込んだ三竿が蹴り込み、鹿島がゲームプラン通りのゴールを奪ってしまう。

しかし札幌ドームに詰めかけた2万7千人のサポーターの声援を受けて札幌も反撃、後半16分にCKのこぼれ球を兵藤が合わせると、これが絶妙なコースに飛んでゴールポストに当たって入り札幌が同点に追いつく。が、後半25分にスルーパスに反応した金崎が左サイドを抜け出し、角度の無いところからコースに流し込まれて鹿島が突き放す。

その後は札幌も金園、小野と投入するも、鹿島は伊東、安部、鈴木と次々に若手を投入して運動量を保ち、カウンター狙いに切り替えて難なく試合をコントロール、4分間のロスタイムも巧妙にボールをキープして時間を使う鹿島らしい締め方を見せて試合終了。

2位の川崎が引き分けたため、これで首位の鹿島は残り3試合で勝ち点4のリードだが、浦和と柏の試合を残しているのでまだ気は抜けないところ。しかし最終節がかつてのライバルである磐田との試合とは、日程君も粋なはからいをするよね(笑)。札幌は負けたものの、新潟以外の下位チームが負けたために降格圏から7差をキープ、ほぼ残留は確定だろう。前線の人材は揃っているだけに、さらに中盤が強化できれば来期はもっと上を狙えそうだ。