「こうして日本人のポジションはどんどん後ろへと下がって行く」ベルギー・ジュピラー・プロリーグ 第12節 ヘント-オイペン

ここまで2勝4分5敗、11試合で12得点と久保を含めて攻撃陣が不調のヘントは、このオイペン戦では4-1-4-1のフォーメーションに変更、久保を右インサイドハーフのポジションで起用した。

今までのヘントは、前線と中盤がの間が空いて攻撃陣が孤立気味で、アフリカ系選手に比べると個人打開力が弱い久保だとゴール前でなかなかボールに絡めなかったが、4-1-4-1は2列目が4人なので互いの距離が近くてフォローがしやすく、久保のボールタッチ数が明らかに向上。

この戦術の弱点であるアンカーの両脇に出来るスペースも、この試合に関しては久保らインサイドハーフが下がるよりはSBやCBが前に出て埋める形が多く、久保が守備に走り回らさせる事も少なく、久保は序盤から気持ちよくプレイしていた。

ヘントは試合開始3分に、左からのサイドチェンジで右のカヌーへボールが渡ると、そこからの溜めから折り返し、消える動きでニアに入った久保が合わせてファーにきっちり決める、昨シーズンの久保が良く見せていたようなゴールの形でヘントが先制点をゲットする。

さらに前半34分にはカウンターからヤレムチュクのパスを受けたカヌーがドリブル、ルイスガルシアに倒されPKをゲット、これをシモンが決めて2点差にすると、その直後にもヤレムチェクがPA左でスライディングを受け、エリア外に見えたがまたPK、シモンがどちらも決めてあっという間に3-0とヘントのリードが広がる。

ただ、前半の終わりごろからヘントは4-2-3-1にフォーメーションを変更、久保がトップ下に入ると、以前のヘントがまた蘇ってしまい、久保は何とかバイタルでボールを受けようとアピールするのだが 案の定中盤から久保が欲しいタイミングでパスが出て来ない。

大迫も香川も、同じようにトップ下の位置で欲しいタイミングでパスがもらえず、なまじテクニックと判断力があるために、パスを出す役割を任され中盤で起用される羽目になっているが、もうこれは日本人選手にとっての宿命みたいなものだろうか(苦笑)。

久保はたまにボールを受けられても、そこから周りの選手と呼吸が合ってなくてミスになることが多く、ヘントはなかなか攻撃のリズムが作れない。後半27分にようやく久保に決定的なスルーバスが出るが、 シュートの瞬間にギリギリでカバーに入られボールは枠の外へ。

後半30分ごろから両チームにスペースが空き出して大味な展開に。久保もお疲れモード突入でヤケクソシュートを1本放ったのみ。結局ロスタイムは取らずそのまま3-0で試合終了。全くもって竜頭蛇尾な内容ではあったが、スコア上はヘントにとって快勝の結果となった。

久保はようやくゴール感覚は戻りつつあるようだが、判断やスタミナといった部分を見てもまだコンディションは上がり切っていない様子。本田がパチューカのカップ戦でゴラッソなシュートを決めているので、代表の右SHは俺のものだとここからさらに奮起してもらいたいところだね。