「何度でも”自分たちのサッカー”を蘇らせてしまう、日本サッカーの根深い病巣」キリンチャレンジカップ 日本-ハイチ

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FIFAランキングが48位と日本よりも8つ下のハイチに対し、序盤に2点を先制しながらも逆転され、試合の終盤になって辛くも追いついてドローという”失態”を演じてしまった日本。

案の定、試合後のネット界隈ではハリルホジッチへの非難はもちろんの事、選手に対しても片っ端から叩いてやり玉に挙げられるなど、まあ世間の脊髄反射ぶりは相変わらずという感じである(苦笑)。

確かにハイチ戦で起用されたサブ組はふがいない点が多かった。東口はGKとしてリーチの短さを露呈、槙野は対人にいっぱいいっぱいでDFラインを統率できず、車屋は最後に少し仕事をしたけど終始腰が引けたプレイで、遠藤は高さでは勝てても足元のデュエルと守備範囲、展開力に大きな課題、杉本は点こそ取ったが前線で全く基点になれず、酒井高徳は安定感に欠け、浅野は空回りしてすぐに消えるなど、そこそこ及第点だったのは小林と倉田ぐらいで、後は皆アピール失敗としか言えない出来だった。

ただ試合を良く見返してみると、日本がここまで苦戦したのは決して選手の能力が低かっただけの話では無く、戦術とメンタルに最も大きな原因があった事が良く分かる。

序盤の日本は、コンパクトでバランスの取れたゾーンを作りながら、ボールを奪うと選手が積極的に前へと動き、ハイチの守備が日本の動きを捕まえきれず、ボールに引っ張られて次々にスペースを作ってしまい、そこをさらに日本が突くという好循環が生まれていた。

しかし20分頃から、何故か突然日本からコンパクトさが失われてしまう。杉本、乾、浅野が中央の高い位置に留まったままになり、小林と倉田の両インサイドハーフがそれに引っ張られるように前目のポジションを取ってしまい、残されたのは4人のDFラインとその前にぽつんと1人で立っている遠藤のみ。

案の定、遠藤の両脇に出来た広大なスペースを使われ、遠藤もディレイしないといけないところでフラフラと飛び出してはあっさり交わされるなどアンカーの仕事が出来ず、28分にそういう形から小林が戻りきれず中央をラ・フランスに割られてあっさり失点。

その後は得点で調子が出てきたハイチに対してペースを握られる展開が続き、後半から右サイドに原口、左SBに車屋を入れるも戦術的なバランスは修正できず、悪い流れのままセットプレイに対して集中力を切らせて2失点目。

日本は井手口、大迫、香川のレギュラークラスを投入するも、さらに前がかりになった日本に対してハイチは6バックのような形で壁を作り、日本は中央で細かくチマチマとパスを繋ぐザックジャパン時代の”自分たちのサッカー”が復活、カウンターを浴びて何とか戻るが単に戻っただけで相手に寄せきれず、ゴラッソなミドルを浴びてハイチが3点目。

これでようやく尻に火がついた日本は、そこからにわかにまた前へと積極的に飛び出す攻撃が見られるようになり、原口の突破を中心に井手口らが惜しいチャンスがあったが決めきれず、これは負けたかと思ったロスタイム、ようやく車屋が出したクロスのこぼれ球を酒井高徳がシュート、ちょうどゴール前で倒れていた香川が寝たまま足を出してコースを変え、日本が土壇場で追いついて試合終了。

ハリルホジッチの縦に速いサッカーは引いた相手を崩れない、みたいな論調がまかり通っているが、本当はその逆で、引いた相手だからこそ速く大きく人とボールを動かさないといけないのに、中央に前にと人が集まってしまって短いパスを回すだけになってしまうのが問題なのである。

試合後の選手談話では、どうやら縦に速いサッカーだけじゃなくて試合をコントロールしたかったみたいだが、ボールを大きく動かせないと選手間の距離が短くなって相手にカウンターを与えるスペースを生み出すだけになってしまう。

単なる身体能力などの問題よりも、戦術的な狙いを90分間維持する事が出来ず、一度メンタルと規律が緩んでしまうと、視野が狭く、展開が小さくて遅い「自分たちのサッカー」に陥ってしまう日本選手の根深い病巣。それを改めて認識させられたキリンチャレンジカップの2試合だった。

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2017/10/11 | 日本代表

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