「百戦錬磨のベテランも太刀打ちできず、予選敗退危機のオランダ」ロシアW杯欧州予選 グループA フランス-オランダ

今や選手層で言えば、ドイツと並んで世界ワンツーの力を持っていると思われるフランス相手に、アウェイのオランダはどのみち勝ち目は薄いと思っていたのだが、それにしてもここまで何も出来ないとは思っても見なかった。

春にブリント監督を解任したオランダを率いるのは、69歳のアドフォカート監督。先発にはトップ下にスナイデルと右SHにロッベン、ベンチにはファン・ペルシというベテランが引っ張り出された苦しい陣営。逆にフランスは移籍問題で揺れていたデンベレを招集しなくても、余裕綽々の体制。

オランダの1トップはヤンセンだったのだが、彼のところまでオランダは全くボールを持って行けず、と言うかハーフラインさえ満足に越せない状態で、たまらずスナイデルがボランチの位置まで下がるのだが、今後は受けてが居なくなって前線が孤立し、カウンターすら出せない窒息状態。

フランスも序盤は攻めあぐねてはいたのだが、14分に右サイドでボールを奪ってからグリーズマンがワンツーから股抜きシュートを決めてフランスが幸先よく先制する。その後もフランスは、カンテが中盤を制圧しつつ、グリーズマンとレマルが前線と中盤を上手く繋ぎ、コマンの突破などでオランダを圧倒するが、なかなか2点目が決まらず前半終了。

後半になるとオランダもさすがに前に出て来たのだが、ヤンセンが何度もオフサイドトラップに引っかかってリズムが作れず、15分に中盤の要であるストロートマンがグリーズマンの足を引っ掛け、2枚目のイエローをもらって退場してしまう。これでほぼオランダの命運は尽きてしまった。

オランダはファン・ペルシを投入するが焼け石に水で、27分にクロスからのセカンドボールをレマルがダイレクトで叩き込んでフランスが2点目を奪うと、43分にオランダのCKからフランスがカウンター、最後は3人がドフリーになって、グリーズマンのラストパスをレマルが押し込み3点目。ロスタイムにはムバッペにまでゴールを決められ試合終了。

オランダはこれで3位のブルガリアに対して2差のグループ4位に転落、これでますますロシアW杯への道が遠のいてしまった。次節はブルガリアとの直接対決なので、そこで絶対に勝利が必要になったのだが、果たしてベテラン頼みのままで道が拓けるのかどうか。まさに「斜陽」という言葉がふさわしい試合であった。