「ユース代表対決は判定だけなら橋岡だが、試合を決めたのはやはり久保」日本クラブユース選手権 決勝 浦和レッズU18-FC東京U18

Jクラブユース三冠のうち、夏に行われる日本クラブユース選手権。その決勝ががスカパーの無料放送日に再放送をしていたので録画で観戦。

FC東京は、U-20W杯にも飛び級で出場していた久保建英が原と並んで2トップを組んだ4-4-2で、浦和は並び的にはトップチームと同じく3-4-2-1だが、ボールとは同じサイドのWBがDFラインに並び、逆サイドのWBが高い位置に上がる4-5-1のような形になるという、ゾーンの要素を取り入れたスタイルになっているのが興味深い。

注目の久保は、前を向いてボールを持ちさえすればどんな狭いスペースでも平気でスルスルと抜いて来るのだが、前半16分にその久保のキープから杉山がシュート、GK河畑にナイスセーブされた場面以外は、4-5のゾーンできっちり挟み込んでスペースを与えず、上手く最後の場面でボールを絡め取る事が出来ていた。

むしろ、前半23分にオフサイドにはなったが井澤がファーでクロスを受けてからのシュートや、24分にカウンターから井澤が抜け出してのミドルシュート、後半7分にCKからの混戦でこれも井澤が振り向きざまに放ったシュートなど、前半から後半の序盤までは決定機の数では浦和のほうが上回っていたぐらい、試合を上手くコントロールしていたと言える。

しかし両チームの体力が落ちて守備のチェックが後手に回るようになると、技術に優れる東京が試合のペースを握るようになる。後半10分にワンツーから抜け出した品田のシュートはブロックされ、20分には平川の縦パスから久保が絡んで杉山が抜け出しシュートを放つが、ボールは惜しくもポストの脇へ。

その後も、浦和はU-19日本代表橋岡大樹を中心に粘り強く守り、東京のミスを拾ってカウンターに繋げていたのだが、とうとう35分に試合が動く。左サイドでのパスから小林が溜めを作り、PA左でボールを受けた久保が彼らしいコントロールショットをニアに決めて東京が先制点をゲットする。

さらに3分後、左サイドのクロスをスライディングで止めようとした橋岡の手にボールが当たったと判定され、東京にPKが与えられて2-0とリード、その後は東京が試合をきっちりコントロールして終了、昨年王者のFC東京がクラブユース選手権の連覇を果たした。

ポジション的に久保とマッチアップする事が多かった橋岡は、少なくとも左サイドでは80分までほとんど彼に仕事をさせなかったが、結局ワンチャンスにその久保に決められてしまったのは悔しいところだろう。いずれにせよ、どちらも将来が楽しみな選手である。