サッカー的にもビジネス的にも意図が不明な、FC東京のドイツ遠征

夏バテ自体はマシになったのですが、3日ほど前から足の付根の筋肉を痛めてしまい、一昨日は足の痛みと休肝日のおかげであまり眠れず、その翌日には3時間の健康診断というハードスケジュールで、昨日はいろいろ体力的に限界でした。

なのでサッカーを90分間見ることは諦め、DAZNでやっていたFC東京のドイツ遠征のドキュメンタリーを見ていました。

日本代表ですら、海外遠征で選手がどんな風に過ごしているのかは映像で提供される事は稀ですし、選手の普段の表情、とりわけ永井のエンターテイナーぶりは見ていて面白かったし、アウグスブルクとマインツとの練習試合にはわざわざサポーターが遠征していて驚きましたが、じゃあドキュメンタリーを作る以外に何か大きな意味があったのかについては正直疑問に思います。

確かに、ブンデスリーガの1部リーグとアウェイで練習試合をする事は、選手やチームにとっては経験になったとは思いますが、結果は1-2と2-5でどちらも敗戦。篠田監督のインタビューでは、攻撃で通用したのが収穫と語ってましたが、得点者は結局ウタカ、永井、中島のみ。本来、活躍してもらわないといけないはずの若手はパッとしなかったようです。

ただ、若手にも同情すべき点はあります。何しろベテランはビジネスなのに若手の座席はエコノミーで、乗り換えも含めると15時間もの長旅をまともに眠れてない状態で、突然経験も何も無い状態でドイツのピッチに放り込まれて何か出来るほうがおかしいです。

ベテラン勢についても、オフシーズンならともかく単なるシーズンの中断期間、本来なら本番を迎える夏の暑さにむけてしっかり体力を蓄えておくべき時期なのに、3泊5日の強行スケジュールで2日連続で練習試合をやっても良いプレイが出せるはずもなく、結局は単にストレスと疲労を積み重ねただけではないかと思ってしまいます。

じゃあ欧州クラブがアジアに遠征するような興行的な旨味があったのかと言うと、単に練習場みたいなところで試合をやっただけですし、ドイツで試合が放送されたわけでも無く、日本のメディアが同行していたわけでも無いようです。

ドキュメンタリーのタイトルが『2017 FC東京ドイツ遠征 presented by DMM.com』と書かれていて、ユニフォームにもDMM.comの表記があるのを見ると、ベルギー1部のシントトロイデンの株式を取得したDMMが、欧州で自らのネットワークを広げる事が第一にあったのだと思われても仕方ないでしょう。もちろんテレビに映らないですが、DMMの関係者は両クラブの首脳と交流しているはずですしね。

ヨーロッパに遠征する事自体は他のJリーグクラブもどんどんやるべきだとは思いますが、まず選手やチームにとって何を得るためなのかという目的をしっかり定め、そのために時期や日程などベストな準備をやって初めて意味のある遠征になるのだと思うんですがねえ・・・